外国人採用を行う際に困難なのが、他国の大学のレベル感の把握です。
世界大学ランキングを参照することで、その国でどの大学のレベルが高いのか、や 自国の大学のランキングと比較することで、おおよそのレベル感を知ることができます。
この記事では、世界大学ランキングとインドネシアの大学に通う学生の声をもとに、インドネシアの大学のランキングを調査しました。
インドネシアの学生の大学の選び方
インドネシアの人口は日本の2倍以上ありますが、インドネシアの大学数は国立と私立合わせて3000校以上と、日本の大学数の3倍以上の大学があります。
このように多くの大学があるインドネシアでは、学生が進学する大学を選ぶのも一苦労ですが、
多くの学生は以下の3つを基準に大学を選びます。
①大学の教育の質の良さと名声
②大学の国内と国際ランク
③授業料
当然ではありますが、学生の多くはこの3つの基準を満たす大学を第一志望としますが、特に①と②を気にして進学先を選ぶ学生が多いです。①と②が良い大学に入学できれば、質の高い教育が提供され、卒業後の就職活動を有利に進めることができます。場合によっては、『仕事を探さなくても、会社に採用される』という機会も得られる可能性があります。
また、インドネシアでは、『〇〇大学の卒業生ではなければ、入社できない』という会社も多くはありませんが、依然として存在するので、トップクラスの大学に進学することを志望する学生は多いです。
一方で大学の進学時点でやりたいことや身につけたい技術がある程度決まっている学生、例えば、電車の運転やアニメーションの制作などのスキルを身につけたい学生は、そのスキルを身につけるために適切な大学を選びます。なので、このような場合は、自分の学びたいスキルをどれだけ学ぶことができるかが、進学先を選ぶ際の基準となります。
インドネシアの入学試験
インドネシアでは国立大学の人気が高く、多くの学生が国立大学に入学するために試験を受けます。
インドネシアでは国立大学に入学する方法が3つあります。1つ目が、”SNMPB”で、これは推薦入試制度と似た受験方式です。この受験方式では高校での成績位が重要であるため、内申点が悪い学生だと受験自体できないため、全生徒にチャンスがあるわけではありません。
2つ目が、”SBMPTN&UTBK”というテストで、これは日本のセンター試験をイメージしていただくと分かりやすいと思います。テストはセンター試験の様にマークシート形式で、日本の国立大学に応募するのと同様に、前期と後期の合計2校に出願することができます。ただし、日本の国立大学とは異なり、このテストの結果で、合否が出ます。
そして3つ目が各大学が独自で開催する入学試験です。この試験は1つ目、2つ目の試験の後に開催されます。募集人数が一番多いため合格難易度は最初の2つの方法と比べ低いと言えますが、入学金や授業料が高く設定されています。大学独自の入学試験は比較的入学しやすいといってもその難易度はどても高く、日本の東京大学にあたるインドネシア大学で行われた2022年の入学試験では、52,768人の学生が入学試験に応募し、合格したのは受験者全体の約10%でした。
インドネシアで人気の大学
インドネシアで人気&難関大学は、インドネシア大学(University of Indonesia)、バンドン工科大学(Bandung Institute of Technology)、ガジャマダ大学(Gadjah Mada University)、アイルランガ大学(Airlangga University)、セプルー・ノペンバー工科大学(Sepuluh Nopember Institute of Technology)の5校です。これらのトップランクの大学は特に理系学部が有名であり、エンジニアリング教育の質はインドネシア国内の大学の中でトップクラスです。
上記の大学群に準じる名門大学として考えられているのが、国立大学のディポネゴロ大学(Diponegoro University)、ブラウィジャヤ大学(Brawijaya University)、ウダヤナ大学(Udayana University)、ハサヌッディン大学(Hasanuddin University)、アンダラス大学(Andalas University)、そして二つのトップ私立大学ビヌス大学(BINUS)とテルコム大学(Telkom University)です。これらの大学は入学難易度が高く、優秀な学生が多く集まります。
インドネシア学生の就活事情
インドネシアの採用は日本のように明確に就職活動の時期が決まっているわけではなく、通年で就職活動をします。一般的に、新卒業生は就職活動をする際に政府が開催するジョブフェアや大学で開催されるジョブフェアに参加します。または自分で就職し、選んだ会社・働きたい会社に応募します。スキルのある学生は卒業する前に企業に採用されるケースもありますが、多くの学生は卒業後に仕事を見つけます。
インドネシアでは就職すること自体はそこまで難しくありません。特にITやコンピュータサイエンス関連を専攻していた学生は、大学の知名度関係なく、その学生のインターンや大学のプロジェクトを通して培った実務能力や経験、学生のITスキルのレベルを示す能力証明書があれば、苦労することなく職場を見つけることができます。
企業文化について、インドネシアには日本の「年功序列」や「終身雇用」のような制度がありませんが、一部の企業では、社員に対して退職年齢までその企業で働いても良いという許可を与える企業も存在します。多くの場合、社員の給与や昇進は個人の能力によって決まります。そのため、パフォーマンスが良くて、ある程度スキルを身につけても、今の職場では給与が高くあげられないなどの場合は前の会社より高い給与や昇進などが得られる会社に転職するケースもあります。ただ、インドネシアでは、頻繁に転職する人よりも一つの会社で長期間働いてから、転職する人の方が良い仕事経験を持つ人と考えられており、前職よりも高い給与をもらえる可能性が高いです。
インドネシアの大学ランキング
インドネシアでは大学「質を評価する」BAN-PTという政府団体がありますが、その団体から大学ランキングが発表されることはありません。なので、インドネシアの学生は大学を選ぶ際に、QS、THE、とCWURの3つのランキングを参考にします。以下はQSとTHEによるインドネシアのトップの大学のランキングです。
国内
ランク |
名称 | Name | QS World University Rankings | Times Higher Education World University Rankings |
1 | ガジャマダ大学 | Gadjah Mada University | 231 | 1201–1500 |
2 | バンドン工科大学 | Bandung Institute of Technology | =235 | 1201–1500 |
3 | インドネシア大学 | University of Indonesia | =248 | 1001–1200 |
4 | アイルランガ大学 | Airlangga University | =369 | 1201-1500 |
5 | ボゴール農科大学 | Bogor Agricultural University
(IPB University) |
=449 | 1201-1500 |
6 | セプルー・ノペンバー工科大学 | Sepuluh Nopember Institute of Technology | 701-750 | 1201-1500 |
7 | パジャジャラン大学 | Padjajaran University | 751-800 | 1501+ |
8 | ディポネゴロ大学 | Diponegoro University | 801-1000 | 1501+ |
9 | ブラウィジャヤ大学 | Brawijaya University | 801-1000 | 1501+ |
10 | ビナヌサンタラ大学(ビヌス大学) | Bina Nusantara University (BINUS) | 1001-1200 | 1201-1500 |
11 | テルコム大学 | Telkom University | 1001-1200 | 1501+ |
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