【現地レポート | インド】なぜ今、インド人材なのか?日本企業が直面する採用難と現地で見えた突破口
近年、日本企業におけるIT人材不足はますます深刻化しており、「日本人のみでの採用」に限界を感じる企業も少なくありません。
そうした中で、今注目を集めているのがインド人材です。
株式会社ASIA to JAPANでは、インド人材採用を進めるIT企業・DX支援業界の企業の方々にご参加いただき、2026年2月23日から28日にかけて、インド・チェンナイとプネの二都市を巡る現地見学会企画を実施しました。
本企画では提携大学を訪問し、学生や先生との交流や説明会を行いました。
現地では、日本就職に高い関心を持つ学生が多数参加し、その多くがすでに日本語を学び、企業研究をしたうえで説明会に臨んでいました。
本記事では、実際の現地見学会企画の様子や参加企業の声をもとに、「なぜ今インド人材なのか」という問いに対するヒントと、日本企業が採用を進めるうえで押さえるべきポイントをお伝えします。
■インド人材の魅力と日本企業との相性を実際に感じてもらうために
今回の訪問では、インド人材採用を検討している日本企業の皆様に、実際に日本語を学ぶインドの学生と直接交流していただきました。
説明会やコミュニケーションの場を通じて、スキルや志向性だけでなく、日本企業との相性やポテンシャルを肌で感じていただくことを目的としています。
実際に会って話すことでこそ見えてくるインド人材の魅力と採用の可能性。
本企画はそのリアルを体感いただく機会となりました。
▲説明会参加学生と集合写真
■日本就職に本気のインド学生が集まった現地説明会
・説明会には50名以上が参加、日本企業への関心の高さが顕著に
現地で行われた説明会には各会場ごとに50名以上の学生が集まり、予想以上の盛況ぶりとなりました。
参加者の多くはコンピューターサイエンスなどの理系学生で、日本での就職機会に強い関心を示していました。
また、説明会に参加するためにしっかりとした事前準備を行なってきた学生も多く、日本企業で働くことに対する具体的なイメージをすでに持っていることがうかがえました。
説明会後も止まらぬ質問や雑談で活気づく様子は、インド人学生たちの意欲の高さを象徴していました。
さらに、現地大学教員も積極的に学生の日本就職を後押ししており、説明会の運営や学生への事前準備に協力しています。
こうしたサポートにより、日本企業側も安心して学生と交流でき、期待感を持って接することができました。
▲学生が質問する様子
・日本語を学び実際に話せる学生が多数
参加学生の中には、ASIA to JAPANが提供している日本語講座の受講者もいました。
日本語を話せる学生は積極的に日本語で質疑応答していました。
また、単なる教科書的な会話だけでなく、技術用語や自身の研究内容を交えて話す姿は、企業担当者に強い印象を残しました。
中には、日本語での面接練習を重ねた経験から、複雑な質問にも自分の考えを論理的に伝えられる学生もおり、学習の成果が実践的に活きていることが分かります。
こうした日本語力の高さは、企業にとって入社後の研修負荷を軽減できるだけでなく、現場でのコミュニケーションやプロジェクト参画をスムーズにする大きなアドバンテージとなっています。
・企業研究を踏まえた質問からも学生の本気度がうかがえる
説明会では、企業の事業内容や技術領域を踏まえた具体的な質問も寄せられました。
例えば、参加企業の開発プロジェクトのプレゼンテーション後には、詳細な質問や自分のスキルをどう活かせるかを直接聞く学生もおり、事前の準備や熱意の高さがひしひしと感じられます。
また、一部の学生は説明会終了後も企業担当者に個別で質問し、自分の関心領域と企業の業務内容を結びつけて議論する姿が見られました。
こうした行動は、単なる興味にとどまらず、日本企業でのキャリア形成を具体的に考えている“本気度”の表れです。
企業側も、質問の内容や学生の姿勢から入社後の適応力や学習意欲を評価でき、採用の判断材料として非常に有益な機会となりました。
▲説明会後の様子
■日本企業がインド人材に注目する背景と採用環境の変化
・日本人IT人材だけでは採用が難しくなっている
近年、日本国内の人材不足、加えてIT人材市場は深刻な人手不足に直面しており、特に高度なスキルを持つ若手人材の確保が難しくなっています。
企業によっては採用活動を行っても応募者数が限られ、ポジションの充足が困難になるケースも増えています。
こうした状況から、日本企業は国内だけでなく海外にも目を向けるようになり、即戦力となる人材を求めてインドを含む海外市場への採用シフトが加速しています。
特にIT分野では、専門知識と技術力を兼ね備えたインド人材の存在が、日本企業の課題解決策の一つとして注目されるようになっています。
・欧米就職のハードル上昇が日本志向を高めている
同時に、学生側の視点でも、日本は人気の就職先として注目を集めています。
ビザ取得の難易度や生活コストの高さから欧米での就職が難しくなる中、日本は比較的ハードルが低く、長期的なキャリア形成も見据えやすいと考える学生が増えています。
説明会に参加した学生の多くも、日本で働くことを具体的なキャリアプランとして描いており、単なる興味にとどまらず現実的な就職先として日本を検討している姿がうかがえました。
▲学生との集合写真
・インド市場には即戦力となるIT人材が多く存在する
さらに、インドには授業の一環として3か月から6か月のインターンシップに参加し、現場での経験を積んだ学生が多くいます。
説明会では、こうした学生が自分のスキルや取り組んだプロジェクト内容を具体的に示し、日本企業の現場でどのように活躍できるかをアピールする場面も見られました。
このように、日本の新卒学生よりも一定の実務経験を持っている点が、採用企業からも好意的に受け止められています。
さらに、学生自身も日本での就職を通じてキャリアを高めたいという強い意欲を持っており、採用後の定着や成長にも期待が持てる状況です。
■インド人材採用を成功させるために日本企業が押さえるポイント
・インド文化や習慣を理解することが採用成功の前提
採用を進めるうえで、日本企業側がまず押さえるべきは、インドの文化や習慣の理解です。
学生とのコミュニケーションや仕事の進め方には、日本とは異なる特徴があります。
例えば、インド人材は前向きでアグレッシブに物事に取り組む姿勢を持っていますが、指示は具体的に伝える必要があります。
「何を」「いつまでに」「どの程度のレベルで」という点を明確に示さないと、期待した成果が返ってこないことがあります。
日本で生まれ育った人材であれば、多少の曖昧さはお互いに文脈などから察することができますが、外国人材の場合はそういうわけにいかないことが多々あります。
ざっくりした伝え方ではなく、事前に詳細を示すことで、スムーズに業務を進めることができます。
こうした文化や働き方の特徴を理解したうえで採用・マネジメントを行うことが、学生の能力を最大限に引き出し、採用を成功させるポイントとなります。
・日本語教育を前提とした採用設計が重要
インド人材を採用する際には、日本語力の育成を前提とした採用設計も欠かせません。
ASIA to JAPANの提供する日本語講座を受講した学生は、既に基礎的な会話や技術用語を理解しているため、面接や入社後の研修の効率も高まります。
とはいえ、もちろん日本語を母国語とする日本人とは大きな差があることを前提に、内定~入社前、入社以降の日本語力アップをサポートできるよう設計することで外国人材の戦力化をより確実に進めることができるといえます。
採用時点で大切なのは、企業側が、日本語力だけでなく、業務に必要なコミュニケーション力や専門知識の習熟度もあわせて確認することです。
その後の教育・研修の設計と合わせて戦力化をすることで、外国人材採用の成功をより確実にすることができます。
・現地での接点を持つことで採用の解像度が上がる
現地で学生と直接接することは、採用の判断材料を増やすうえで非常に有効です。
説明会やインターンシップの場で学生のスキルや志向性、熱意を自分の目で確認できることで、書類やオンラインだけでは見えない情報を得られます。
さらに、学生の準備度や質問内容から、キャリア志向や企業理解の深さを評価することもできます。
こうしたリアルな接点を持つことで、採用の精度が上がり、入社後の定着や即戦力化にもつながります。
▲学生との集合写真
■企業と学生が直接交流
・オンライン面接を経た内定者が日本語でツアーを先導
▲FAST OFFERでの内定者との市内観光
今回の企画では、偶然にも参加企業に内定が決まった学生と直接会う機会がありました。
この学生は、日本語で企業の方々を先導しながらツアーを案内してくれました。
学生は少し緊張している様子もありましたが、しっかりと事前準備をし、お寺を巡りながら歴史や神様の由来を日本語で丁寧に説明する姿に、参加企業の方々は目を見張っていました。
実はこの学生は現地見学会企画の直前のオンライン面接会で内定に至ったため、企業の方と直接会うのは今回が初めてでした。
企業の方々は、面接時以上に学生の能力の高さに驚き、今後の外国人材採用活動に向けて期待を大きくされたようです。
・大学内で学生が先導する学校案内
説明会後、参加学生が大学内を案内してくれる場面もありました。
学生たちは自分たちのキャンパスや施設を丁寧に紹介し、一部の学生は自身の努力を示すために、日本語で研究内容のプレゼン資料を作成し発表してくれました。
その前向きな姿勢や、チャンスを逃さず自発的な行動力に、参加企業の方々は強い印象を受けました。
学生の熱意や主体性を間近で体感したことで、企業側は今後の採用活動における期待をさらに高めることができました。
■まとめ
本企画を通じて、日本企業の参加者は、インド学生の日本就職に対する強い意欲や、日本語力の高さ、主体性のある行動力を肌で感じることができ、期待感が高まる場となっています。
説明会では50名以上の学生が集まり、多くの学生が企業研究を踏まえた具体的な質問を行うなど、本気度の高さが印象に残ります。
また、学生は授業やインターンシップを通じて一定の実務経験を積んでおり、即戦力として活躍できるポテンシャルがあることも確認できました。
加えて、文化や働き方の違いを理解し、具体的な指示や期待値を共有することが、採用・マネジメントのポイントとして重要であることが見えてきます。
学校案内や現地での交流では、学生が積極的に自分をアピールし、日本語でコミュニケーションを取る姿に企業側も感銘を受け、内定者が日本語でツアーを先導する場面では学生の成長や日本企業との親和性を実感できました。
こうした経験を通して、インド人材の魅力や可能性を理解し、文化理解や育成方法を踏まえた採用戦略を立てることが、日本企業にとって先々も含めた人材戦略の成功となるでしょう。
ASIA to JAPANでは、今後も現地見学会企画を計画しています。
また、企業様のご要望を踏まえた企画の編成も可能ですので、少しでもご興味を持っていただけましたら、お気軽にASIA to JAPANへお問い合わせください。