今回は、フィリピンの大学ランキングを中心に、大学の選び方や学生にとって人気の大学について解説します。
【フィリピン学生の大学の選び方】
JETROが公開するフィリピンの基礎データ(2021年度)によると、フィリピンには現在総数2,396校(公立大サテライトキャンパス421校を含む)あり、うち国公立大学が246校、私立大学が1,729校、国公立の大学院が 114校, 私立の大学院が1551校と公表されています。
大学への入学は日本と同じく18歳からで、各大学が実施する入学試験を受験し合格した者が入学の資格を得られます。2011年に教育制度改革が実施され、現在はハイスクールを4年間の後に高校にあたるシニアハイスクール(2年間)が追加され、日本と同様に中等教育の期間が6年間が必要となります。また、大学は一般的に4年制をとっています。
大学進学率は35.48%で金銭的な理由で進学できない人も多く、また入学できても卒業するのは難しい傾向にあります。
そのため、大学を決める際は、
・教育費(授業料および諸費用、生活費、寮費、交通費、本や消耗品、学生服など)
・学校の場所(居住地から大学までの距離、またホームシックになった時に帰れる距離かどうか)
・学部のプログラム(人気の学部、学びが有益性、信頼できる環境など)
・学校のランキング(フィリピン国内で公表される国内ランキング上位か)
・学生コミュニティと雰囲気(4年間通える環境かどうか)
が一般的な基準となります。
【フィリピンの大学ランキング表】
今回は、、世界大学ランキングを掲載する「QS Asia University Rankings 2023」にて、国内とアジアでのランキングをまとめました。フィリピン国内の評価とアジアから見た評価を見比べてみましょう。
■フィリピントップ大学の、QS大学ランキング順位
名称 | name | QS Asia University Rankings (Philippine:2023) |
QS Asia University Rankings (2023) |
フィリピン大学 | University of the Philippines | 1 | 87 |
アテネオ・デ・マニラ大学 | Ateneo de Manila University | 2 | 134 |
デラサール大学 | De La Salle University | 3 | 171 |
聖トマス大学 | University of Santo Tomas | 4 | 175 |
アテネオ デ ダバオ大学 | Ateneo de Davao University | 5 | 551-600 |
マプア大学 | Mapúa University | 6 | 551-600 |
シリマン大学 | Silliman University | 7 | 551-600 |
ミンダナオ州立大学 | Mindanao State University | 8 | 601-650 |
セントルイス大学 | Saint Louis University | 9 | 651-700 |
ザビエル大学 | Xavier University | 10 | 651-700 |
【学部別大学ランキング】
QS World University Rankings by Subject 2023
※データによってランクの数が異なります
国内順位 | 芸術と人文科学 | 世界順位 | ビジネスおよび経営学 | 世界順位 | 英語と文学 | 世界順位 | 社会科学と経営 | 世界順位 |
1 | フィリピン大学 | 398 | デラサール大学 | 351-400 | フィリピン大学 | 151-200 | フィリピン大学 | 254 |
2 | アテネオ デ マニラ大学 | 401-450 | フィリピン大学 | 351-400 | アテネオ デ マニラ大学 | 201-250 | デラサール大学 | 401-450 |
3 | デラサール大学 | 401-450 | アテネオ デ マニラ大学 | 401-450 | デラサール大学 | 201-250 | アテネオ デ マニラ大学 | 451-500 |
国内順位 | 言語学 | 世界順位 | 経済学と計量経済学 | 世界順位 | 化学工学 | 世界順位 | 医学 | 世界順位 |
1 | デラサール大学 | 251-300 | デラサール大学 | 401-450 | デラサール大学 | 351-400 | フィリピン大学 | 301-350 |
2 | フィリピン大学 | 251-300 | フィリピン大学 | 451-500 | フィリピン大学 | 351-400 | サント・トーマス大学 | 601-650 |
【まとめ】
フィリピンの学生が大学を選ぶ際、家庭環境や金銭面でのハードル、そして卒業後の進路に有益であるかという点が重要であることがわかりました。しかしながら大学進学率は未だ4割以下ということもあり、進学は比較的ハードルが高いということもわかります。
国民性としてホスピタリティが高く、自分以外の人の仕事にも気を配れる傾向にあり、責任感があるためスタッフ系の職種にも向いています。また、コミュニケーション力に長けており、プレゼンテーションが得意な人も多いです。
【参考資料】