ベトナムにおける平均年収や新卒者の給与はどの程度でしょうか?業界や職種によって給与はどのくらい違うのでしょうか?
本記事では、ベトナム統計局(Cục Thống kê、財務省傘下。旧・統計総局)の最新発表と、ベトナム政府の最低賃金政令をもとに、2026年時点のベトナムの給与事情を整理します。
※ベトナム通貨:VND(ドン) ※1VND=約0.0061円(2026年10月時点のレートで換算。1万ドン=約61円)
【ベトナムの平均月収】
ベトナム統計局が2026年10月に発表した労働力調査によると、2026年第3四半期(7〜9月)の労働者の平均月収は920万ドン(約5万6,100円)で、前年同期比で9.9%(約82万ドン)増えました。2026年1〜9月の平均月収は910万ドン(約5万5,500円)で、年収に換算すると約1億920万ドン(約67万円)となります。
参考までに、2025年通年の平均月収は840万ドン(約5万1,200円)でした。2023年版の本記事で紹介した2022年第2四半期の660万ドンと比べると、約4年で4割近く上昇したことになります。
属性別に見ると、男女差・都市と農村の差は依然として大きくなっています。
| 区分(2026年1〜9月平均) | 月収(ドン) | 月収(円換算) |
|---|---|---|
| 全労働者 | 910万 | 約5万5,500円 |
| うち給与所得者(会社員等) | 1,010万 | 約6万1,600円 |
| 男性 | 1,020万 | 約6万2,200円 |
| 女性 | 780万 | 約4万7,600円 |
| 都市部 | 1,070万 | 約6万5,300円 |
| 農村部 | 800万 | 約4万8,800円 |
出典:ベトナム統計局「2026年第3四半期および1〜9月の労働・雇用状況」
生活費と物価
統計局の「2024年生活水準調査」によると、1人当たりの月間支出は全国平均で約300万ドン(約1万8,300円)です。都市部は約380万ドン(約2万3,200円)、農村部は約250万ドン(約1万5,300円)と、都市部の方が生活費は高くなります。支出の約半分は食費・飲食費が占めています。
物価については、2026年1〜9月の消費者物価指数(CPI)は前年同期比4.52%上昇しました。住居・光熱費や交通費の上昇が目立ちますが、同期間の平均月収は9.1%増と物価上昇率を上回っており、実質的な所得も改善傾向にあります。
最低賃金(2026年1月1日改定)
ベトナム政府は政令293号(293/2025/NĐ-CP)により、2026年1月1日から地域別最低賃金を月額で平均約7.2%引き上げました。2022年7月の改定(平均6%)以降、2024年7月(6%)に続く引き上げです。
| 地域 | 主な対象 | 月額(ドン) | 月額(円換算) | 時間額(ドン) |
|---|---|---|---|---|
| 地域1 | ハノイ市・ホーチミン市の都市部など | 531万 | 約3万2,400円 | 25,500 |
| 地域2 | ハノイ市・ホーチミン市の郊外など | 473万 | 約2万8,900円 | 22,700 |
| 地域3 | 地方省の都市部など | 414万 | 約2万5,300円 | 19,900 |
| 地域4 | 地域1〜3以外の農村部など | 370万 | 約2万2,600円 | 17,800 |
※2025年7月の行政区画再編(63省市→34省市)に伴い、地域区分は社・坊(コミューン)単位で定められています。
【新卒の初任給】
ベトナムでは、大卒新卒者の初任給を全国規模で集計した公的統計は公表されていません。そのため、公的データからは次の2つを目安にするとよいでしょう。
- 下限の目安:地域別最低賃金。ハノイやホーチミンの都市部(地域1)では月額531万ドン(約3万2,400円)です。
- 相場の目安:給与所得者の平均月収。全国で1,010万ドン(約6万1,600円)、都市部で1,120万ドン(約6万8,300円)です(2026年1〜9月)。
大卒の新卒者は経験年数が短いため、一般的にはこの2つの間に初任給が設定されることが多いと考えられます。ただし、外資系企業や大手企業、ITなど人材獲得競争が激しい分野では、これを上回る初任給が提示されることもあります。
【業界ごとの給与事情】
統計局のデータでは、金融・不動産・エネルギーなどの産業で収入が高く、農林水産業との差は2倍以上あります。
まず3つの産業部門別に見ると、2026年第3四半期の平均月収は次のとおりです。
| 部門(2026年第3四半期) | 月収(ドン) | 月収(円換算) |
|---|---|---|
| サービス業 | 1,090万 | 約6万6,500円 |
| 工業・建設業 | 990万 | 約6万400円 |
| 農林水産業 | 540万 | 約3万2,900円 |
出典:ベトナム統計局(現地報道による)
さらに産業別に見ると、統計局が公表した2024年通年の平均月収では、金融・銀行・保険業が最も高くなっています。
| 産業(2024年通年) | 月収(ドン) | 月収(円換算) | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 金融・銀行・保険業 | 1,280万 | 約7万8,100円 | +11.1% |
| 不動産業 | 1,170万 | 約7万1,400円 | +9.2% |
| 電気・ガス供給業 | 1,150万 | 約7万200円 | +12.5% |
| 鉱業 | 1,120万 | 約6万8,300円 | +9.2% |
| 製造業 | 840万 | 約5万1,200円 | +7.6% |
| 農林水産業 | 450万 | 約2万7,500円 | +8.2% |
※2024年の全労働者平均は770万ドン。円換算は2026年10月のレート(1VND=約0.0061円)を使用。
また、ベトナムには多くの日系企業が進出しているため、日本語能力試験(JLPT)のN1やN2を取得しているなど、日本語が堪能な人材も需要が高い状況です。
【まとめ】
ベトナムの平均月収は2026年第3四半期で920万ドン(約5万6,100円)、年収換算で約67万円です。日本との差は依然として大きいものの、所得は前年比約10%のペースで伸びており、最低賃金も2026年1月に平均約7.2%引き上げられました。
また、男女や都市・農村の間、そして業界の間で大きな給与格差があります。金融や不動産などの業界では、農林水産業の2倍以上の水準です。
この記事をご覧になって頂いた方の中には、ベトナムの人材を採用するために、平均年収を調査していた方もいらっしゃるのではないでしょうか?株式会社ASIA to JAPANでは新卒の理系外国人材に特化した面接イベントを毎月行っています。企業様のご状況に合わせて優秀な外国人学生をご紹介可能です。お気軽に以下よりご相談ください。