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1日5回の礼拝作法とは?ムスリム(イスラム教徒)のお祈りと日本のモスクをご紹介

ムスリムのお祈りについて_メイン画像

目次

1日5回の礼拝作法とは?
ムスリム(イスラム教徒)のお祈りと日本のモスクをご紹介

信仰する宗教によって礼拝のルールが異なります。近年日本にはイスラム教を信仰するムスリム(イスラム教徒)の人口が増えており、それに伴いモスクの数も年々増えつつあります。しかし、ムスリムの礼拝作法について詳しい方はそこまで多くないのではないでしょうか。
そこで今回は、ムスリムの礼拝作法と日本のイスラム教モスクについて紹介します。

 

■イスラム教とは?

ムスリムの祈り_イメージ画像01

国土交通省の「イスラム教」によると、

7 世紀初めにアラビアのモハンマドが預言者として神から授かった宗教である。唯一神「アラー」を信じる一神教で、「コーラン」を聖典とする。キリスト教、仏教とともに三大宗教の 1 つに数えられる。 

※国土交通省「2.イスラム教 」より引用

とあり、世界人口のうち20億人近くのムスリム※1が信仰しています。
※ムスリムについて詳しくはこちらから

※1:店田 廣文 「世界と日本のムスリム人口 2019/2020 年 」を参考

 

■イスラム教の礼拝とは?

ムスリムは生活の基本となる考えと行動に六信五行を重んじています。六信五行とは6つの信仰箇条と5つの義務という意味です。そのため礼拝の作法を守ることも、すべては信仰の実践にあたるのです。

ムスリムの礼拝は、夜明けに行う「ファジュル」正午過ぎの「ズフル」午後の「アスル」日没後の「マグリブ」、そして夜の「イシャー」の5回を毎日それぞれに決められた作法で時間内にお祈りします。
礼拝の時間は太陽の動きで決まるので、同じ国でも地域によって時間帯が異なることがあります。
宗教法人アッサラームファンデーションのサイトでは、日々の礼拝時間を公表しています。
こちらをご覧ください)

 

■礼拝ルール

礼拝を始める前に身を清めるウドゥを行います。

ムスリム礼拝_ウドゥ手順

※日本アハマディアムスリム協会  ナレッジサイト「礼拝」を参照

ウドゥで身を清めた後、決められた時間内に「キブラ」と呼ばれるサウジアラビアのメッカにあるカアバ神殿の方角を向いて礼拝を行います。
礼拝は4種類あり、時間帯によって礼拝内容の組み合わせと回数が決められています。

ムスリム礼拝種類

ムスリムのお祈り回数

※イルムの森「一日五回の礼拝の仕方」を参照

ファルドの礼拝を全礼拝で規定の回数行うことが義務付けられており、時間帯によってウィトルの礼拝、スンナの礼拝、ナフルの礼拝を指定された回数行います。もし何らかの事情で、指定の時間に礼拝ができなかった場合は「カダーの礼拝」という救済をもって、次の礼拝の前に行えなかった礼拝をいたします。

 

■モスクとは?

イスラム教の礼拝は、クラブのような騒がしい場所や人の邪魔になるような場所以外であれば、基本的にどこでも行えます。
しかし、時間に余裕がある場合は集団礼拝に参加する必要があるのです。それは礼拝時の集団が大きいほど、神であるアッラーに愛でられ徳を得るとされているからです。
この集団礼拝を行う場所として推奨されているのが「モスク」です。モスクとは礼拝する場所のことを指しているので、神社仏閣、教会のような神聖な場所とは違い建物自体に神が宿っているわけではありません。

モスクは機能や規模によって細かな呼び名が変わります。
日々の礼拝に使用されるこぢんまりとした礼拝所を「マスジド」といい、ムスリムが一般的に利用しています。
続いて町の中心的なモスクで、集団礼拝にも使用される大規模モスクのことを「ジャーミイ」といいます。
そして、モスクの敷地外などのオープンスペースや、ショッピングモールや空港などの簡易礼拝所を「ムッサラー」といいます。

毎週金曜日は集団礼拝に参加することが義務付けられているので、多くのムスリムが大規模モスクのジャーミイに集います。

ムスリムの祈り_イメージ画像02

 

■日本のイスラム教モスク

日本には約23万人以上(※2020年末時点)のムスリムが生活しています。またその人口は年々増加傾向にあり、さらにムスリムのインバウンドの数も増えています。その結果、礼拝所のモスクの数も年々増え現在では110箇所以上も建立されています。
そのうちのいくつかを紹介します。

・日本最大級のモスク東京ジャーミイ

東京・渋谷区の代々木上原駅にほど近い閑静な住宅街にあり、モスクの象徴ともいえるドーム型の建物が特徴です。戦時中日本に定住したトルコ人によって、始まりとなる礼拝堂が建立されました。その後老朽化に伴いトルコ共和国宗務庁のもとトルコ全土から寄付金が集められ、現在の東京ジャーミイが建設されました。その規模は日本全国で最大級といわれています。

・現存する日本最古のモスク神戸ムスリムモスク

三宮駅から山手側に出て徒歩で約10分ほどのパールストリート沿いにある神戸ムスリムモスクは、1935年当時に神戸に在住していたトルコ人、タタール人、インド人貿易商らの出資により建立した、日本に現存する最古のモスクです。第二次大戦の戦火と阪神淡路大震災の災害にも負けず、神戸のムスリムの礼拝所として今も活躍しています。

 

・モスクマップ

年々モスクの数は増えているものの、日本はイスラム国家のようにどこにでもあるというわけではありません。
ASIA to JAPANは高度外国人材の日本就職のサポートを行なっており、数多くのムスリムの方と関わっています。
彼らだけでなく日本全国に居住するムスリムのモスク探しが手軽にできるように、日本全国に所在するモスクを表示するマップを作成しました。

モスクマップ

 

■まとめ

ムスリムにとって礼拝はとても重要な意味を持ち、1日5回のお祈りを捧げることは日課であり生活の一部なのです。もし身近にムスリムの方がいたら、ムスリムの礼拝を理解し尊重することが彼らにとって安らぎとなり、グローバル社会の歩み寄りになるのではと思います。

そして、もしモスクを探している方がいたら「モスクマップ」を是非活用してください。
礼拝以外にもムスリムは多くの決まり事があります。イスラム教について詳しくはこちらをご覧ください。

ASIA to JAPANではムスリムの高度外国人材だけでなく、アジア各国のトップクラスの理系大学生の採用を支援しております。外国人社員の受け入れについてもお気軽にお問い合わせください。

 


※モスクマップ参照元
・ハラールメディアジャパン「モスク
・イスラムのホームページ「国内主要礼拝所(マスジド)と団体

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