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外国人労働者における「問題」と、企業が取り組むべき「解決策」を紹介!

目次

外国人労働者における問題」と、企業が取り組むべき「解決策」を紹介! 

外国人労働者問題とは? 

近年、日本における労働力不足はますます深刻な問題となっています。総務省の「情報通信白書(令和4年版)」によると、日本の生産年齢人口(15~64歳)は1995年の8716人をピークに減少しており、今後も更なる人口減少が予測されています。 

引用: 総務省|令和4年版 情報通信白書|生産年齢人口の減少 (soumu.go.jp)

 

また、総務省統計局の人口統計(令和5年5月確定分)によると、日本の生産年齢人口は 7395万3千人で、今後もさらなる減少が予測されます。

一方、日本における外国人労働者数は年々増加しています。厚生労働省によると、令和4年10月末地点の外国人労働者数は1,822,725人で、前年と比べて95,95,504人増加しました。これは届出が義務化された平成19年以降、過去最高です。

このように、生産年齢人口の減少によって日本で働く外国人労働者は増加しています。

しかし、外国人材を初めて受け入れる企業にとっては、外国人労働者を雇用するにあたって不安があるのも事実でしょう。実際にどのようなことが問題視されているのか、外国人労働者問題とその原因、企業として対応できることについて解説していきます。

 

外国人労働者雇用において、日本で問題となっていること

給与問題

外国人労働者から賃金未払いや、不当な賃金の差し引きなどの相談が寄せられるケースです。出入国管理庁が令和2年に発表した報告書「今後の出入国在留管理行政の在り方」によると、賃金不払いや最低賃金違反、契約賃金違反が依然として起きていることが分かります。これらの問題は外国人労働者の失踪などにもつながるケースもあり、重大な問題となっています。

原因

まず大前提として、外国人労働者にも、最低賃金は適応されます。最低賃金法に国籍は関係なく、外国人労働者の最低賃金は日本人労働者の最低賃金と同額です。ただ何故賃金の未払いなどが起きているのでしょうか?主な原因のひとつに、技能実習生への不当な対応が挙げられます。
技能実習制度は、本来は日本で働きながら技術を学ぶ目的で来日しています。

※以下、厚生労働省『外国人技能実習制度について』より引用


外国人技能実習制度は、我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的としております。

ただ実際は『安い労働力』として実習生が使われるケースもあり、目的と実態がかけ離れているという指摘もあります。

解決策

当たり前ではありますが、企業として法律を遵守した対応をすること、また倫理観のある対応をとっていればトラブルになるようなことはありません。もし、法律に関することなどで不安がある場合は、外国人労働者の転職を円滑に行うために採用サービスを活用することは解決策の一つです。外国人労働者受け入れに関する正しい知識をつけ、受け入れに対する認識を改めることも重要です。

(関連記事:外国人労働者の賃金はいくらに設定すべき!?産業別・国別比較 | ASIA to JAPAN | 海外大の日本語が話せる新卒理系【IT・機械・電気・電子】の就職支援

過酷な労働環境問題

前述した『給与問題』と類似していますが、外国人労働者が過酷な労働環境での業務に従事させられるケースもあり、特に前述した技能実習生において、その傾向が多くみられます。
人手不足の職場は重労働かつ労働時間が長くなり、周囲の労働者から身体的・言葉的暴力をふるわれる事例も少なくないと言います。

厚生労働省が発表した厚生労働省「2022年 外国人労働者の労災害発生状況」によると、令和4年1月から12月までの1年間で仕事中に死傷した外国人労働者は4,808人と前年から5%も増加(人数で言うと231人増)し、過去最高を記録しています。

原因

この問題の原因として、過酷な労働環境の人手不足を外国人労働者で補おうとする企業が多いことがあります。日本人労働者が従事したがらないような厳しい業務では、特に労働力の確保が困難で、外国人労働者が雇用される場合があるのも事実です。

前述した災害発生状況のデータからも読み取れるように、安全対策を十分にとらず、事故につながるようなケースも見受けられます。

引用:厚生労働省『令和4年 外国人労働者の労働災害発生状況』

解決策

企業が気を付けなければいけないことは、外国人労働者と日本人労働者の待遇・働く環境を差別しないことです。これも当たり前の話ではありますが、安全管理を徹底することも大切です。

仮に企業として技能実習生を受け入れた場合、労働基準監督機関による監督指導があるケースもあることを忘れないでおきましょう。厚生労働省が発表した「技能実習生の実習実施者に対する監督指導、送検等の状況(令和3年)」によると、同年に労働基準関係法令違反が疑われる実習実施者に対して9036件の監督指導を行い、そのうちの6556件(全体の72.6%)で違反が認められましたとの報告もあります。

外国人労働者雇用において、企業がぶつかる壁と解決策

これまでは、日本国内で議論となっている外国人労働者の問題をお伝えしました。
以降は企業が実際に、外国人を雇用するとなった場合に頭に入れておきたいポイントをご紹介します。

コミュニケーションの問題

外国人労働者を雇用するにあたって大きな障壁となるのがコミュニケーションです。内閣府の「企業の外国人雇用に関する分析」によると、外国人材の受け入れに関する問題で最も多かったのが「日本語能力に問題がある」という回答で、「日本人社員とのコミュニケーションに不安がある」が次いで多いことが分かります。

原因

コミュニケーションの問題の原因の1つに外国人労働者の日本語力があります。彼らの日本語力はそれぞれ異なるため、企業によるサポートが不可欠になっています。また、言語以外にも文化や宗教の相違がコミュニケーションに支障をきたしてしまうこともあります。

解決策

外国人労働者が働きやすい環境を整えることが有効です。多様な国籍とバックグラウンドを理解するために企業が積極的に働きかけることが重要になります。また、「やさしい日本語」を使用して外国人労働者とコミュニケーションをとることも解決策の一つです。このように、外国人労働者が安心して働けるような取り組みが必要になります。

(関連記事:【セミナーレポート】日本語研修を発注する前に知っておいて欲しいこと

昇進や評価・キャリアへの考え方の違い

外国人労働者と日本人労働者の間に昇給や昇進に対する考えに違いがあります。近年見直す動きが出てきていますが、日本では年功序列に基づいた昇給・昇進が主流の一方で、他国では経歴や成果によって昇給・昇進が多く行われています。

このような認識の相違から、成果を上げているのに昇給・昇進できないと考える外国人労働者もいます。

原因

前述した通り、海外では評価やキャリアに関して明確に説明があるのが一般的です。どのような行動が評価れるのか、逆に何をしたら評価が下がるのあ、キャリアパスはどうなっているのか。
こういった説明がないことから先の姿をイメージできず、離職につながってしまうことは少なくあれいません。特にロールモデルとなる先輩の外国人社員がいない場合は注意が必要です。海外とのギャップを理解し、上司から評価やキャリアについてきちんと伝えることが重要です。

解決策

・採用時
海外では雇用条件通知書に給与やボーナスに関する記載があることがほとんどのため、例えば日本人採用でよくある「ボーナスは業績による」といった表現ではなく、外国人材に合わせた書類を準備することが望ましいでしょう。

・採用後
総合職の場合は、どうしてもキャリアパスがみえにくいこともありますが、たとえ先々のキャリアパスを明確に示すことが難しかったとしても、現在の配属の目的や大まかな在籍期間などを出来る限り伝えるように努めることが大拙です。

 

外国人労働者の魅力

外国人労働者を雇用するにあたり、企業として検討・準備しなければいけないこともありますが、基本的な法律を守って運用をすれば、過度に怖がる必要はありません。日本の少子高齢化と新卒の学生減少の状況を踏まえると、いつかはどの企業も外国人採用を考えなければいけなくなることは明らかです。

ここからは外国人労働者の3つの魅力について、お伝えします。

専門的な技術を持つ人材を確保できる

日本では出会うことのできない、海外からの優秀な人材を確保することが可能です。

特にエンジニアであれば、彼らは母国での仕事より高度な技術を持つ日本での仕事を求めてやってきます。そんな向上心のある彼らならば、スキルだけでなく自身の職種にとどまらず新しいことを学ぼうという学習意欲や熱意も兼ね備えていると考えられるでしょう。

企業のグローバル化を促進

日本とは異なるバックグランドを持っていたり、日本語以外の言語を話すことができたりするため、他国から労働者を招くことで企業の国際的な活動が促進されます。彼らの経験と専門性は、国際ビジネス推進に大いに寄与するでしょう。

社内の活性化

価値観や文化など、日本と全く異なる環境で育ってきた外国人の考え方は私たちに新しい気づきをもたらしてくれるはずです。彼らの多様な意見やアイデアは企業にイノベーションをもたらし、企業内外の競争力向上の大きな助けとなるでしょう。

 

まとめ

日本の労働人口の減少を背景に、外国人労働者受け入れの重要性は一層高まっています。その一方で、一部の企業における外国人労働者への不当な扱いにより、問題視されているのも事実です。ただきちんと法律を守り、企業として誠実な対応するれば、そこまで大きな心配をする必要はありません。

ASIA to JAPANでは、アジア各国で現地の学生に日本語の授業を実施し、その後の企業への入社までサポートしています。
外国人材採用でお困りのことがありましたら、気軽にお問い合わせください。

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