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「留学生」って何者か説明できますか?留学生について詳しく紐解く

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「留学生」って何者か説明できますか?留学生について詳しく紐解く 

母国と異なる国で学ぶ学生を留学生ということは、誰もが知っていることだと思います。 しかし、「留学生」とは何者か具体的な説明を求められた際に、しっかりと答えられる人は少ないのではないでしょうか? 

今回は、この「留学生」の定義や日本での関わり方などを紹介します。 

留学生の定義 

留学生のデジタル大辞泉を見てみると、

 外国に滞在して学術・技術などを学ぶ学生。 

※引用文献:小学館「デジタル大辞泉」 

と定義されています。 留学生の主な目的として、母国と異なる国の大学や専門学校、語学学校などの教育機関に通い、異文化に触れつつ勉学だけでなく文化交流などを行います。 

 

日本人留学生について 

毎年多くの日本人が、海外の環境で学ぶために留学をしています。 では、年間で一体どれだけの学生が留学しているのでしょうか?
日本人の留学推移と人気の留学先についてご紹介いたします。 

日本人留学生の推移

JASSO「日本人学生留学状況調査」をもとにASIA to JAPANが作成 

 

JASSO(日本学生支援機構)が公表する【日本人学生留学状況調査」】をもとに、過去18年間の日本人留学生の推移を見てみましょう。
2000年代初頭では、まだ海外で学ぶ選択を取る学生は2万人以下と少ない状況でした。 しかし、2018年になると前年の2倍近く急激に増加している事がわかります。
この現象について、JAOS(海外留学協議会)の「日本人留学生数調査2018」にて、以下のように述べていました。 

留学目的別の数字を見ると、海外の中学高校への留学は昨年の15,200人から今回の15,870人と670人も増加しており、日本人の留学目的で一番人気の語学留学が減少する中、大きく人数を増やした。これは、日本国内のグローバル化が進み、自分の子供に、グローバル人材になれるような教育を受けさせたいと感じる親世代が増加したことによるトレンドだと考えられる。 

※引用:一般社団法人海外留学協議会(JAOS)による日本人留学生数調査2018 

企業のグローバル化が進み、英語を話せる人材の需要が増えてきた事。また、インバウンドや海外進出の動きが加速した事が、就活を見据えた学生たちの留学を決意させる要因になったと考えられます。 しかし、新型コロナが蔓延し、海外のロックダウンや日本の緊急事態宣言など、国外での活動が大変厳しくなった2020年以降は、大幅に人数が下落しています。 

2023年の春頃より、日本では外国人の受け入れが緩和され、海外に出ることも比較的容易になりました。 そのため、日本人留学生の人数も徐々に回復してくる事が見込まれます。 

日本人に人気の留学先 

次に、日本人に人気がある留学先を、2019年度と10年前の2009年度とで比較して紹介します。 (コロナ禍以降は留学生数が少なく比較が難しいため、それ以前で比較します)

JASSO「日本人学生留学状況調査」をもとにASIA to JAPANが作成 

 

元となる母数にだいぶ差はありますが、留学先として人気がある国は、ここ10年で大きく変わってきている事がわかります。
2009年では、欧米を中心とした国の人気が高かった事がわかります。一方で、2019年になると、東南アジアの国がランキングに入ってきています。この理由として、母国語ではないですが東南アジアの国々でも英語が日常生活で使用されており、さらに欧米に比べて学費を安く抑える事ができるといった面が、人気を高めた要因であると言えるでしょう。 

外国人留学生について 

続いて、海外から日本へ留学にきている留学生について紹介します。 

外国人留学生の推移

JASSO「外国人留学生在籍状況調査結果」をもとにASIA to JAPANが作成

 

こちらも、JASSOの外国人留学生在籍状況調査結果」をもとに、過去24年間の外国人留学生の推移を見てみましょう。 この表をみてわかるのが、コロナ禍においても日本人留学生に比べて、外国人留学生の人数が大幅に減少するということはありませんでした。 

以前掲載したこちらの記事にもありますが、日本に留学を希望する学生の多くが、日本の文化に興味を持っており、また最先端の技術を学べることを魅力に感じているそうです。 近年では、日本の円安の関係で欧米に比べて、安く教育機関に通う事ができる面でも、留学先としての後押しをしています。 

外国人留学生はどの国から来ているか?人気の専攻分野は?

続いて、外国人留学生の出身国や人気の専攻分野、どの学級で学んでいるかを10年ごとの変化を比較しながら紹介します。

※JASSO「外国人留学生在籍状況調査結果」をもとにASIA to JAPANが作成 

 

JASSOで公表している情報によると、日本で学ぶ留学生の出身国で過去24年間最も多いのが「中国」でした。こちらの記事で、理由について紹介しているのでご覧ください。 ベトナムやネパールの出身者が増加した理由には、将来母日本の企業に就職することを目標としている方が多く、就職に有利になるように通う人が増えているそうです。 

外国人留学生の種類 

留学生として、日本で学ぶ方法が複数あるということをご存知でしょうか? ここからは、外国人留学生の種類についてご紹介します。 

国費外国人留学生 

国費外国人留学生制度について、文部科学省ではこのように説明をしています。 

国費外国人留学生制度は、海外から優秀な留学生を受け入れることにより、国際交流・友好親善の促進及び諸外国の人材育成に資するとともに、我が国における大学等の国際化の進展、それを通じた教育研究力の向上、ひいては社会全体の国際化・活性化に貢献し、我が国と世界の発展に寄与することを目的とする制度です。 

※引用:文部科学省「国費外国人留学生制度について」 

この制度では、①研究留学生」「②教員研修留学生」「③学部留学生」「④日本語・日本文化研修留学生」「⑤高等専門学校留学生」「⑥専修学校留学生」の6つのプログラムがあります。 そして、次の3つのうちどれかで選ばれることによって、外国人学生はこの制度を受ける事ができます。 

・大使館推薦 

海外の在日本大使館、または領事館が募集をかける方法です。国によって、申請方法や締め切りが異なります。①,,⑤,⑥の留学生は、4〜5月にかけて翌年4月入学の募集が行われます。67月にかけて第一次選考が実施され、8月ごろに大使館もしくは領事館より外務省を通じて、制度を管轄する文部科学省へ推薦されます。 

,④の留学生は、122月にかけて9,10月入学の募集が行われます。  

・大学推薦 

大学間交流協定などに基づく「交換留学生」を採用する際の方法です。こちらは、受け入れを行う大学から文部科学省に推薦を行います。大使館推薦と違って、①もしくは④の留学生のみが対象となります。 

日韓共同高等教育留学生交流事業 

日本人学生と韓国人学生の相互交流の拡大、そして日本で研究を行うことで、両国の架け橋となる人材を育成することを目的とした制度です。対象となるのは、韓国籍の保有者のみです。(二重国籍の場合、申請前に韓国籍の選択を行う必要があります) 

募集されるのは、正規生又は非正規生として研究を行う「修士課程」「博士課程」になります。 

外国政府派遣留学生 

派遣国(留学生の母国)の奨学金を用いて、日本の教育機関に通う留学生を指します。基本的に派遣国によって内容は異なりますが、主に派遣国の政府から学費などが支給されます。また医療費については、財団法人日本国際教育協会から援助を受ける事ができます。 

私費外国人留学生 

日本の教育機関で学ぶことを目的に、日本の文部科学省から奨学金を受給されず、実費で通う留学生が該当します。 

 

日本に留学する目的 

留学生が、日本を留学先として決める目的をご存知でしょうか?ここからは、外国人留学生から留学した理由として、多い意見を紹介します。  

日本文化への関心 

日本は、世界的にみても希少な島国です。そのため、他国の影響が受けづらく独自の文化が発展します。そんな日本文化で外国人留学生が興味を抱くのが、「伝統文化」「食文化」「歴史」「言語」「生活文化」です。特に日本食は、海外でも人気が高く本場の味を体験したいという学生も多いです。 

先進的な技術への関心 

日本は、海外(特に東南アジア)からみると、有名な家電メーカーや世界でも有名な自動車メーカーがあるなど、先進的な技術を持つ国として認識されています。そのため、直接日本のテクノロジーに関われる環境で学びたいと考える学生がいます。 

日本語学習 

日本語を学ぶきっかけとして、最近は「マンガ」や「アニメ」から入る人が多いです。そして日本語は、一人称に「僕」「私」「俺」など、一つの意味に対して複数の表現方法があったり、方言によって異なる単語を使用したりと、海外から見るととても特殊な言語です。そんな独自に発達した言語を学びたいと思う学生も少なくありません。  

日本の企業に就職するため 

日本の企業に就職する際、最も大きな壁となるのが「言語」です。近年グローバル化がすすみ、企業によっては英語の必要性や異文化の理解を社内で共有し合うなどしていますが、それでも大半の企業の第一言語は「日本語」になります。そのため、日本で学ぶ事で日本企業や文化を理解し、さらに言語問題にも対応できるようにする学生もいます。 

 

日本の大学卒業後の進路 

卒業後の進路について、JASSOが公表する「2021(令和3)年度外国人留学生進路状況調査結果」では、全体の59.5%が日本に残ることを選択しています。そのうち、就職する留学生が29.9%。進学を選ぶ人が17.1%。その他の選択をとった人が12.5%でした。残りのうち、37.5%の留学生が母国に戻り、3%が日本や母国とは違う国で進学や就職を選択していました。 

 

外国人留学生に就活支援 

ASIA to JAPANでは、外国人留学生と人材を求める企業とをマッチングさせるサービス「FAST OFFER」を展開しています。企業が求めている人材についてヒアリングを行い、日本で就職を希望する外国人留学生の経歴や実績から、該当する人材を厳選し紹介します。そして、直接面接を行なっていただくことで、互いの理解を深めミスマッチを防ぎつつ、安心して人材採用いただく事ができます。 

ASIA to JAPANは、「きっかけから、活躍まで」をビジョンに掲げて、外国人学生や日本人留学生に対し就活支援を行い、日本で働くことを夢見る学生に機会を提供しています。 

外国人学生や外国人留学生、日本人留学生の採用について相談などありましたら、気兼ねなくお問い合わせください。 

 まとめ 

留学生の定義や種類について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。 外国人留学生でも、来日する手段は学生によって異なる事がわかりますね。 

今後留学生と会話をする機会があれば、日本を選んだ理由を聞いてみるのもいいかもしれません。

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