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ベトナム人の日本語力はどのくらい?日本語学習の状況から、日本での就業状況まで解説!

目次

ベトナム人の日本語力はどのくらい?日本語学習の状況から、日本での就業状況まで解説!

ベトナム人の日本語力とは

外国人材の採用をする際に気になる、日本語力。国によっても日本語教育が盛んかどうか、傾向が異なります。
この記事ではベトナム人の日本語力を知っていただき、日本企業が採用する際に検討がしやすい情報を提供します。

ベトナムの教育事情

小学校は5年間、中学校は4年間、高校は3年間、大学は4年間であり、小中学校の教育年数こそ異なりますが、中学校までが義務教育であることは日本と同じです。
高校に進む場合は試験を受ける必要があり、こちらも日本と同様、学校ごとに用意された試験を受けて進学することになります。

大学入試では全国の受験生が共通試験を受け、その結果によって選べる大学や専攻が決まります。成績優秀者しか進めない難易度の高い専攻は医学系と警察で、日本でいう推薦入試のように、高校の成績によって大学が決まることもあります。

ベトナム人から見る日本への印象

ベトナムには1990年代から多くの日本企業が進出し、現地で投資活動を行うなどしてベトナムの発展に貢献したことも日本への関心や信頼を集める要因となっています。食を中心とした文化やアニメに関心を持つ人も多く、日本びいきの層は増加傾向にあります。

近年は日本に留学したり技能実習生として就業したりする人が増えており、ベトナムと比べて給与水準の高い日本で働きたいと希望する学生も多数います。英語が話せない人が多いぶん、日本語学習への意欲が総じて高いのがベトナムの特徴と言えるでしょう。

日本語学習状況の概要

来日前の日本語学習を目的とした日本語学校は増加しており、2021年度海外日本語教育機関調査 によると、学習者人口は約16万9千人で世界6位であった。(1位中国、2位インドネシア、3位韓国、4位オーストラリア、5位タイ)

日本語教育機関数は629機関あり、前回調査比 より22.4%減と大幅な減少があるが、学校教育以外の日本語教育機関の多くは、日本での就労・留学を主な目的とした学習者を多く抱えるため、コロナ禍の影響で機関の廃止や一時停止を行った機関が多かったことなどが原因としてあげられる。

 

出典:2021年度 海外日本語教育機関調査:p.30(国際交流基金)を引用

 

高等教育機関・大学での状況

高等教育機関では、ハノイ貿易大学を始めとする大学で1961年から日本語教育が提供され、その後他の大学や短期大学でも日本語教育が拡大し、2021年には88の高等教育機関で日本語教育が行われています。特に工科系・理科系の大学や医療・看護系の大学でも日本語教育が広がっており、学科や学部、大学院修士課程まで提供されています。

小学校・中等教育機関での状況

中等教育においても2003年に中等プロジェクトが立ち上げられ、中学校や高校で日本語教育が第一外国語科目として実施されています。さらに、2008年には国家外国語プロジェクトが始まり、小学3年生から高校3年生までの10年間で外国語教育が強化され、小学3年生から5年生までの段階で日本語教育が実験的に開始されました。

2022年9月からは小学校の1年生から10年間の日本語教育が正式科目として提供される予定です。これらの取り組みが、ベトナム人の日本語能力を高め、外国人採用に向けてベトナム人の採用をサポートしています。

日本語能力試験の受験状況

ベトナムはアジア地域において日本語能力試験(JLPT)の受験者数が非常に多い国の一つです。JLPTは、ベトナムの日本語学習者にとって、日本への留学、就職、技能実習などの様々な目的に向けて非常に重要な試験となっており、ハノイ、ホーチミン市、ダナン市などの主要な都市で実施されており、試験センターは多くの場所に設置されています。

受験者数は年々増加しており、特に日本とベトナムとの経済関係が強化されたことや、特定技能制度による日本での就労機会の増加などが受験者数の増加に寄与しています。

令和5年7月の試験では、約2万6,000人の方が日本語能力試験を受験しました。

令和5年第1回(7月)の受験者数データ(引用:日本語能力試験のHP

 

ベトナム人の就職事情と仕事観

就職先を探す上で重視するポイント

企業が大学の成績を重視するため、卒業後に仕事を探し始めるのが一般的です。インターネットで探したり、知人から紹介してもらったりすることが多く、他のアジア各国と比べて大学のジョブフェアはそれほど盛んではありません。上位大学の学生は仕事を見つけやすいですが、そうでない場合は数年間就職ができない人もいます。
就職先はベトナム国内で探すことが大半で、海外就職は稀な存在です。
 

就職先を探す際に重視するポイントは、自分の能力や専攻が生かせること、そして給与です。JETROによると、ベトナム統計総局が公表した、2022年第2四半期のベトナム全国の平均月収は660万ドン(約3万8,280円)、年収にすると79,200,000ドン(約459,360円)です。※1VND約0.0058円で計算

ベトナムと日本の給与水準の差が大きく、日本での就業を希望する人は多くいるのも理解できます。初任給にこだわる傾向にあるので、採用時は昇給や賞与、手当を含めた年収を提示するなど、給与に関しての丁寧な説明をすることを推奨しています。また、ベトナムはオフショア開発が盛んであるため、IT人材の中には日本で働いてる間に顧客を獲得し、ベトナムに戻って起業する人も多く、退職を防ぐためには能力に応じて給与を上げることが肝となるでしょう。 

なお、多くの日本企業はホーチミンに拠点を構えるが、日本語を話せる学生はハノイに集中しており、採用活動を行うならハノイが狙い目です。 

代表的な大学 

ハノイ工科大学 (Hanoi University of Science and Technology) 

日本政府のODAとしてスタートしたHEDSPI(Higher Education Development Support Project on ICT)という、日本語ができるIT人材を育成するプロジェクトを行なっています。
日本語ができるIT人材とあって日本企業からの人気が高騰しており、採用難易度も高いのが特徴です。 

FPT大学(FPT University) 

ベトナム最大手のIT企業FPTグループが設立した大学。日本と友好関係にあり、日本語を話せるエンジニアを積極的に育てています
3期制を採用しており、学生は3年間で卒業します。実践的な授業が多く、学生たちは在学時からFPTグループのインターンシップに参加するため就職活動時の履歴書が中途社員のような内容になる学生もいます。 

日本におけるベトナム人の数

在留ベトナム人の人口

出入国在留管理庁によると、2022年6月末地点で在留外国人は296万1,969人います。このうちの25%を中国が占めています。次に多いのがベトナムで16.1%。さらに、韓国が13.9%、フィリピンが9.8%、ブラジルが7.0%と続きます。また、割合的には少ないですが、ネパールやインドネシア、タイ、台湾からの人も在留しています。

引用:令和4年6月末現在における在留外国人数について(出入国在留管理庁)

ベトナム人労働者の人口

厚生労働省が2023年1月に報告した「外国人雇用状況」の届出状況まとめでは、前年の2022年10月の段階で外国人労働者数が1,822,725 人、前年比95,504人増加したと公表しました。そのうちベトナム人は1位の約46万人いて、全体のおよそ4分の1を占めます。

※厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)を参考にASIA to JAPANが作成

 

ベトナム人の採用成功事例の紹介

ここから先は弊社FAST OFFERを通じて日本企業への採用が決まった、ベトナム人学生の事例をご紹介します。

ベトナム人学生の採用事例1: 情報工学の学生

もともと趣味で日本語を勉強しており、JLPTのN3を取得。しかし、日本語の会話力が低く、日本で仕事を見つけるのに当初苦労したようです。
就職活動では、5社の書類選考を通過し、そのうち2社の最終面接に進み、最終的にはそのうちの1社の研究開発部門に就職が決定しました。

詳細を見る:【内定者体験記】ベトナム 会津大学 情報工学 | ASIA to JAPAN | 海外大の日本語が話せる新卒理系【IT・機械・電気・電子】の就職支援

ベトナム人学生の採用事例2: 国際経営学の学生

高校時代、進学について相当悩んだ末、日本に留学することを決意し立命館アジア太平洋大学へ進学。
日本の学生に混じりながら就職活動を日本で行い、ASIAtoJAPANの『FAST OFFR』(※旧サービス名Study Go Work Japan)を通じ、エンジニアリング商品を生産する多国籍企業へ内定しました。

詳細を見る:【内定者体験記】ベトナム 立命館アジア太平洋大学 経営 | ASIA to JAPAN | 海外大の日本語が話せる新卒理系【IT・機械・電気・電子】の就職支援

ベトナム人学生の採用事例3:メカトロニクス専攻の学生

ハノイ工科大学を卒業後、1年間日本企業のベトナム支社で働き、コロナ禍が終息し始めた2021年末に就職活動を再開。半導体製造装置グループへの就職が決まった学生です。

ベトナムで工業に応用しているロボットはまだ少なく、大部分が外国から輸入されている現状を変えたく、日本への就業を決意。

詳細を見る:【内定者体験記】ベトナム 立命館アジア太平洋大学 経営 | ASIA to JAPAN | 海外大の日本語が話せる新卒理系【IT・機械・電気・電子】の就職支援

終わりに

いかがでしたか?
今回は、ベトナムにおける日本語教育事情や仕事観、日本での就業状況についてお届けしました。

ASIA to JAPANでは、海外の主要大学と提携しており、現地大学内で年間を通して行う日本語学習などを通じて、海外の学生に日本への就職のきっかけを提供しています。 また、優秀な学生と企業とをオンライン・オフラインを通じて理想的なマッチングを実現いたします。就職決定後に、企業が必要なサポートを次々と充実させていくことで、双方のギャップを解消し、活躍するまで丁寧に支援しています。

外国人採用で不安な事がありましたら、気兼ねなくお問い合わせください。

【参考サイト】

国際交流基金 2021年度 海外日本語教育機関調査

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