「中国人学生が重視しているのは心の安定」中国在住のカリスマ日本語教師に聞く、現地の就職状況&中国人学生の就職観

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ASIAtoJAPANは日本企業に向けて、日本語能力N1・N2レベル取得者向けの日本語学習プログラムの提供を開始しました。

授業を担当するのは、中国で日本語講師として活躍している笈川幸司先生。中国で日本語を学ぶ学生で、知らない人はいないと言われるカリスマ日本語教師です。

本記事では、笈川先生から伺った中国の現状と、中国人学生の就職観について紹介します。



笈川 幸司 先生

中国の複数の大学で客員教授として集中講義を受け持ち、これまでに200名以上の日本語スピーチコンテスト優勝者を排出する。『世界が尊敬する日本人100』(Newsweek2019年4月)や『逆転人生「中国のカリスマ日本語教師 涙の青春スピーチ」』(NHK2019年10月)など、メディアでも多数取り上げられている。現在は北京日本学研究センターで音声学を研究中。

中国の現状と中国人学生の就職観


中国は日本と比べて学生の就職への意識は比較的緩く、「卒業前に絶対就職をしなければいけない」という感じではありません。そのため、新型コロナウイルスによって世の中が混乱している今、当面は様子を見ようと考える学生も少なくない印象です。

現在中国国内は就職難であり、私が授業を担当している日本語学科の学生を取り巻く就職状況に関しても、厳しい状況です。日本語を使う就職先を見つけにくく、日本語能力が低かったり、日本語以外のスキルを身につけていなかったりする学生は、大学を出なくてもできるようなアルバイト以外の仕事を見つけるのが困難です。

それゆえに「どうせ勉強しても就職できない」と、日本語を学ぶモチベーションが低下している学生が多く見受けられます。当然日本語力も上がらず、いわゆる「酸っぱい葡萄」のように、日本で就職することに興味はないと虚勢を張るような学生も増えています。

ただ、次の話をすると、日本で働くことへの関心がグッと増すのを感じます。

「アメリカンドリームと違って、日本で就職しても大金持ちにはなれないかもしれない。しかし、日本で働くことによって『心の安定』や『自立した経済的安定』が得られる。その点について、日本は中国よりもずっと良い環境にある」

というのも、近年中国人学生の価値観は大きく変わりつつあり、最近の若い学生は人の気持ちや人との調和を考え、自分の心の安定を重視する傾向にあります。

「中国人学生は日本の技術に興味がある」と考えている日本企業は多いと思いますが、実は最近の学生が重視しているのは心の安定なのです。

日本には、彼ら/彼女らのニーズに応えられるだけの環境が備わっていると思っています。新型コロナウイルスにより不安な気持ちを抱えている今は余計に安心感の重要性は増していくでしょう。日本企業はぜひこの点を意識して、中国人学生と接点を持っていただけるとよいのではないでしょうか。

同時に中国人学生は日本文化および日本の会社文化に馴染むための学習や日本語力の習得を、日本企業は外国人材とのより良い接し方を身に着けることが喫緊の課題なのだと思います。

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