ASIAtoJAPANは2021年10月、約3週間にわたり、イギリス各地の20の大学を回りました。アメリカに続き、日本人留学生向けの就職支援サービス『FAST OFFER』の説明会を行い、計約500人の日本人留学生が参加しました。
イギリスは10月4日に隔離制限を解除しており、検査キットを配布するなどコロナの影響は残るものの、街中にはマスクをしている人がほとんどおらず、賑わいを見せていました。
イギリスは歴史ある島国。地元意識が強く、「自分の街」という感覚が強いようで、街は綺麗に保たれています。「なんとなく日本に親しい感覚がある」と話す日本人留学生も。
【1】イギリスの大学について
イギリスの大学は一般教養がなく3年制で、修士は1年制が一般的。理系の場合は4年制・修士2年制のことも多く、大学や専門によって異なります。
今回は世界大学ランキング100位以内の大学を中心に回ったこともあり、先生一人あたりに対する生徒数が少なく、学生へのサポートが手厚い印象を受けました。学生いわく、レポートのフィードバックについて夜中にやりとりをすることもあるそうです。
少数に分かれてグループディスカッションを行う機会も多数あるため、予習・復習は必須。先生は生徒の顔と名前をしっかり覚えており、裏を返すと学生はサボれない環境にあるため、多忙な日々を過ごしています。
ただ、学内にはクラブやパブなど、息抜きできる施設も用意されています。都心部を離れた大学では大学と街の垣根がなく、一体化しているのが特徴。スーパーやフラットなどもあり、大学内で生活が完結します。教育産業がイギリスの主要産業であることを実感しました。
大学にはさまざまな国の学生が集まっており、まさにダイバーシティ。「この分野であれば〇〇大学」など、特定の学問で知られている大学も多々あり、「最先端の大学で学びたい」という目的意識が高い学生が多い印象です。
日本人留学生も同様で、特に環境、国際関係、国際政治を専攻する学生が多くいました。なんとなく海外というよりは、学びたい学問の先端大学がイギリスだったケースが多く、真面目に勉強している学生が目立ちます。
【今回訪問した大学一覧】
名称 | 地域 大学種別 |
有名な学部 学生数 |
世界大学ランキング | 特徴 | |
1 | ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン University College of London (UCL) |
ロンドン | 経済学・哲学 | 16位 | ・11の学部を有する総合大学であるがどの分野においても満遍なく高いレベル ・ロンドン大学を構成するカレッジの中で最大であり、最古のカレッジ ・伊藤博文や夏目漱石、小泉純一郎元首相の留学先としても知られる |
国立大学 | 4万人 | ||||
2 | キングス・カレッジ・ロンドン Kings College of London (KCL) |
ロンドン | 医学・社会科学・人文科学・生命科学 | 35位 | ・ロンドン大学のなかでも大規模なカレッジ ・イギリスの政治・経済の中心にほど近い場所にキャンパスがあり、多くの分野で第一線の環境で学ぶことが出来る |
国立大学 | 3万人 | ||||
3 | インペリアル・カレッジ・ロンドン Imperial College of London |
ロンドン | 医学部、工学部、理学部 | 11位 | ・2007年にロンドン大学から独立。研究職が強い大学として有名 ・本部はサウス・ケンジントンキャンパスに置かれており、ビクトリア女王の即位50周年を記念して建てられたクィーンズタワーがある |
国立大学 | 1万人 | ||||
4 | コベントリー・ユニバーシティ・ロンドン Coventry University London |
コベントリー (ロンドンから電車で1時間ほど学園都市) |
社会学・美術デザイン・産業デザイン・経済学・工学・コンピュータ&ネットワーキング | 601-800位 | ・Good University Guideランキングで、学生経験部門のトップ大学賞 (2019年度)、Top modern University of the year (今年の近代的な大学トップ賞)を獲得するなど、近年注目される大学 |
国立大学 | 2万人 | ||||
5 | エディンバラ大学 University of Edinburgh |
エディンバラ (スコットランド) |
獣医学・言語学 | 30位 | ・1583年に設立された英国に7つある「古代大学」のうちの一つ |
国立大学 | 2万6000人 | ||||
6 | リーズ大学 University of Leeds |
リーズ | 電気・電子工学・ビジネス・環境学・数学・コンピュータ | 160位 | ・ラッセルグループの創立メンバー大学 ・日本語専攻があるため日本留学の希望者が多く、日本の大学と多数協定を締結している |
国立大学 | 3万人 | ||||
7 | ヨーク大学 University of York (JUSU) |
ヘスリントン (ヨーク市郊外) |
ビジネス・経営学・TESOL・経済学・生物学・心理学 | 133位 | ・9つのカレッジからなる ・ヘルスセンターやチャイルドケアセンターが完備されているなど、学生へのサポートが充実 |
国立大学 | 1万4千人 | ||||
8 | マンチェスター大学 University of Manchester |
マンチェスター | 生物医学健康学部・理工学部・人文科学部 | 51位 | ・マンチェスター大学学生組合(University of Manchester Students’ Union)は会員数4万人を超えるイギリスで最大の学生組合 ・UNESCO世界遺産のジョドレルバンク天文台を保有 |
国立大学 | 2万6千人 | ||||
9 | シェフィールド大学 University of Sheffield |
シェフィールド | 経営学、マテリアルサイエンス工学、建築学、機械工学、政治学、コンピュータサイエンス | 121位 | ・1897年に3つの教育機関の合併で設立し、1905年に現在の大学名になった ・学生の満足度も高く、ラッセルグループの中でも上位に入る |
国立大学 | 2万5千人 | ||||
10 | ランカスター大学 Lancaster University |
ランカシャー | 経済学、経営学、言語学、社会学、ビジネス、心理学、社会福祉 | 136位 | ・9つのカレッジからなるり、カレッジには学生寮、カフェテリア、スポーツセンター、スーパー、銀行、郵便局、クリニック、歯科などが揃う ・プレートガラス大学(近代的な板ガラスや鉄鋼を用いた建築様式の大学群)と呼ばれる1校 |
国立大学 | 1万4000人程度 | ||||
11 | ウォーリック大学 Warwick University |
コベントリー郊外 | 経済学、クリエイティブライティング学、数学、統計学、物理学、財務会計学、経営マネジメント学 | 77位 | ・メインキャンパスの中央には「ウォーリック芸術センター」というイギリス最大級の規模を誇る文化施設がある |
国立大学 | 1万6千人 | ||||
12 | バーミンガム大学 University of Birmingham |
バーミンガム | アメリカ研究・クリエイティブライティング学・社会政策学・ソーシャルワーク学・物理天文学・理学療法学 | 107位 | ・国際関係や応用言語学など多くの分野でその研究成果が高く評価されている。日本人留学生も比較的多い |
国立大学 | 2万3千人 | ||||
13 | オックスフォード大学 Oxford University |
オックスフォード | 哲学・政治・経済学 | 1位 | ・39ものカレッジがあり、学生寮、ダイニング、図書館、ジム、バー、カフェなどが設されている ・THE世界大学ランキングでは5年連続1位 |
国立大学 | 1万2千人 | ||||
14 | ケンブリッジ大学 University of Cambridge |
ケンブリッジ | 経済学・政治・心理・社会学・コンピュータサイエンス | 6位 | ・32のカレッジから成るカレッジ制 |
国立大学 | 1万2千人 | ||||
15 | イーストアングリア大学 University of East Anglia (UEA) |
ノリッジ | 社会福祉、アメリカ研究、国際開発学、環境学、薬学 | 200位 | ・広大なキャンパスで、国内最大級のスポーツ施設や文化施設がある ・世界的に評価される研究機関でもあり、環境科学、国際開発学、クリエイティブ・ライティングの分野では教育の先駆者的存在 ・THE世界大学ランキングの学生満足度調査で1位を獲得(2013年) |
国立大学 | 1万5000人 | ||||
16 | エセックス大学 University of Essex |
コルチェスター | 社会科学、法学、政治学、経済学 | 301-350位 | ・メインキャンパスは、イギリスで最も歴史的な街であるコルチェスターの中心部にほど近い緑美しいキャンパス ・100以上の国籍の学生が通う国際的で活気のある大学 |
国立大学 | 1万人 | ||||
17 | ブリストル大学 University of Bristol |
ブリストル | 獣医科学・地球科学/地理学/地質学・機械工学/航空宇宙工学/土木工学・哲学 | 91位 | ・英国の南西部にある人口50万人の大都市に位置する |
国立大学 | 2万人 | ||||
18 | エクセター大学 University of Exeter |
エクセター | 考古学、教育学、ドイツ語、政治学、心理学、神学、生物科学、ビジネス、経営学、ドラマ学、ダンス、映画学、経済学、数学と統計学、物理学 | 174位 | ・メインキャンパスであるストリーサム・キャンパスは、英国で最もうつくしいキャンパスといわれ、エクセター市街を見下ろす緑豊かな丘の上に位置し、キャンパス内には自然公園、彫刻の路、植物園、図書館、コンピュータルーム、大劇場、シアター、スポーツ施設など充実した環境 |
国立大学 | 2万人 | ||||
19 | サセックス大学 University of Sussex |
ブライトン | 開発学、人類学、英語英文学、政治学、地理学、社会学 | 160位 | ・ファルマーの国立公園である「サウスダウンズ国立公園」内にある美しい緑に溢れたキャンパス |
国立大学 | 1万4000人 | ||||
20 | レディング大学 University of Reading |
レディング(バークシャー) | 考古学、法律 | 201-250位 | ・ロンドンとオックスフォードの中間にある歴史的な町にあり、ロイヤル勅許を受けたレッド・ブリック(赤レンガ)大学の1校 |
国立大学 | 2万人 |
※世界大学ランキングは、Time Higher Education(THE)2021(※1)のランキングを記載
イギリスの日本人留学生の今
コロナ禍でほとんどの日本人留学生は帰国を余儀なくされ、2021年9月より徐々にイギリスに戻り始めました。隔離期間があったため、学生が大学に戻ったのは実質10月。イギリスに戻らず、引き続きオンラインで授業を受ける学生もいます。
例えば2019年9月に入学した学生の場合、2020年春に感染状況が悪化し帰国。そのまま1年間日本でオンライン授業を受け、2021年9月にイギリスに戻った段階ですでに3年生。イギリスの生活に慣れるタイミングと、就職活動を始める時期が重なってしまっています。
(関連リンク)
※1 The Times Higher Education World University Rankings 2021
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