文化を通じて育まれた日本への興味
私が日本に興味を持ったのは、その魅力的な文化がきっかけでした。私は日本の小説を読むのが好きで、たいていはタイ語で読みますが、原文の日本語で読んだらもっと良いだろうと思うことがよくありました。
私は漫画を読むのが好きですが、今はまだ英語版を好んで読んでいます。マンガは小説に比べて読みやすく、イラストとストーリーで楽しませてくれるところが特に好きです。 この好奇心から、新型コロナウイルスが大流行する少し前の、4年ほど前から日本語を学び始めました。
語学学習の難しさと楽しさを知る
個別指導塾で日本語を勉強するのはお金がかかるので、私は独学で勉強することにしました。ポッドキャストや日本語のビデオに没頭してネイティブの会話を聞いてみましたが、指導がなかったので自分の進歩を測るのに苦労しました。間違いを正してくれる人もいませんでした。そのため努力はしているのにもかかわらず、日本語の本を読み終えるほどの日本語力さえついていませんでした。文法や語彙との格闘が続いていました。
幸い、タイには紀伊國屋書店があり、日本語の本も売っているので、短い記事やライトノベルを読んで練習していました。難しいですが、興味をそそられる本が多かったです。
最近は、日本の歌を聴くという新しい趣味も見つけました。暇があればカラオケに行き、同じ趣味を持つ仲間たちと歌っています。特に日本のポップスやアニメソングが好きです。好きな曲はMay’nと中島愛の「ライオン」、スキマスイッチの「奏」です。歌詞を日本語で読むようにしているので、発音やリスニングの上達に役立っていると思います。日本語の能力を高めるための、楽しくてやりがいのある方法だと思っています。
そんなある日、大学の先生からLINEグループで ASIA to JAPANへのFAST OFFER Internationalのポスターが送られてきました。300時間程日本語を勉強すれば、日本で働ける可能性があり、プログラムも無料だと聞きました。
ASIA to JAPANの日本語クラスに参加
正直に言うと、ASIA to JAPANを通じてFAST OFFER Internationalの無料の日本語クラスに参加した当初、私は日本でのキャリアを目指すつもりはありませんでした。私の一番の動機は、独学で苦労していたので、単に日本語能力を向上させることでした。当時は日本で働くという考えは頭になく、ただ文化に興味がありました。
しかし、日本でのインターンシップの機会を得て、すべてが変わりました。日本で働くことの可能性に目を開かされ、個人的にもプロフェッショナルとしても成長できる素晴らしい機会だと気づかされたのです。ASIA to JAPANのFAST OFFER Internationalのプログラムは、新しい人生のステップを切り開くために必要な語学の基礎とサポートを提供してくれ、私の中で変革とも呼べる大きな変化をもたらしました。
日本でのインターンシップから学んだこと、そして固まった決意
大学と日本企業との提携により、私は幸運にも山口県でインターンシップの機会を得ることができました。2023年7月から12月まで、私は製造会社で初の留学生インターンとして働きました。この経験は、仕事のやり方と日本の企業文化の両方について貴重な洞察を与えてくれました。
比較的小さな会社であるにもかかわらず、私は温かく迎えられ、やりがいのある環境に身を置くことができました。英語を話せる人は1人しかいなかったので、ほとんどの時間は日本語を使わなければなりませんでした。大変だったけど楽しかったし、思い出もたくさんできました。マネージャーは運転中によく『奏(かなで)』という曲を流してくれました。宿泊先や食事など、いろいろと助けていただき、今でもとても感謝しています。
帰国後、日本企業でキャリアを積みたいと思うようになりました。将来の就職のために語学力を高めようと、決意を新たに日本語の勉強を再開しました。会社からは採用の可能性を示唆されましたが、私は自分の道を見つけることにこだわり続けました。こうして私は、日本就職のチャンスを掴み、日本での自分の居場所を切り開くことを決意し、ASIA to JAPANとの旅を続けたのです。
日本でのインターンシップでの新しい経験
日本でのインターンシップ中、私は多くの新しい経験に出会いました。最も顕著な違いのひとつは、人々がいかに交通ルールを厳格に守り、歩行者や自転車の安全を優先しているかということです。大都会バンコクから来た私は、自転車の乗り方すら知りませんでした。日本に来る前に自転車の練習はしていましたが、到着した当初は難しいと感じていました。しかし、時間が経つにつれて、とても楽しめるようになりました。日本で自転車に乗るのはリラックスできて楽しいと感じ、将来は自転車を買おうとさえ思うようになりました。
大学でのロボット工学・AI工学への取り組み
私は現在、機械、電気、ソフトウェアの3つの分野からなるロボット工学とAI工学を学んでいます。この分野は、AIと機械学習技術を統合した産業用ロボットを中心に展開しています。卒業後は海外でキャリアを積み、産業用ロボットを使う仕事で経験を積みたいと思っています。日本は世界有数の製造国であり、ロボット大国でもあるので、私は日本を優先的に選びました。また、私は日本の言語や文化にとても興味があり、実際に住んでもっと学びたいと思っています。
日本での将来の計画
来年4月に入社するので、1年間は準備期間です。日本語の勉強、運転免許の取得、ビザの取得に集中します。
将来的には、日本に出来るだけ長く住むことを考えています。日本の文化と日本語に浸ることが最優先事項です。お城めぐりや切手収集などや、日本人の生活様式をもっと知りたいですし、理解したいと思っています。大阪を旅行したとき、日本の百名城を集めた『百名城』という切手帳を偶然見つけました。それをきっかけに、いろいろな都道府県を旅して、もっと切手を集めたいと思うようになりました。
さらに、仕事の技術的な面でもわくわくしています。入社する会社は国際的なので、海外転勤の可能性もあります。新たな挑戦や成長の機会を積極的に取り入れていきたいと思っています。
面接と内定への思いがけない道
思いがけず、私が面接と内定を勝ち取るまでの道のりは、ASIA to JAPANの日本語クラスに登録した後、時折送られてくるメールから始まりました。(毎度)オンライン・セッションの案内を無視していたにもかかわらず、私はついに1月のセッションに参加することを決めたのです。このセッションが、日本で働くことに興味がある人たちのために開かれているとは知りませんでした。当初は、ネイティブ・スピーカーと日本語を話す練習をするために参加しただけでしたから。
セッション中、私は日本で働く動機と準備について会話をすることになりました。何気ないやりとりであり、そのときはその意味をまったく理解していませんでした。実際、もし事前にその目的を知っていたら、未完成の最終プロジェクトのことを考えて、参加するのをためらっていたかもしれません。
2月は面接の準備と進行中のプロジェクトとの両立で慌ただしい月となりました。多忙なスケジュールにもかかわらず、私は潜在的なチャンスへの期待に燃えて頑張りました。今考えれば、プロジェクトの締め切りと同じ4月に面接を行うのが理想的だったと思います。
この予期せぬ展開を振り返ると、2月にチャンスをつかんだ決断に心から感謝しています。おかげで現地面接に参加することができ、最終的には日本での内定を得ることができました。また、さまざまなバックグラウンドを持つ多様な人たちと知り合うこともできました。仲間の学生やASIA to JAPANのサポートしてくれるスタッフとのつながりを築けたことは、この旅のかけがえのない一部となりました。
日本での就職を目指す仲間へのアドバイス
300時間の語学学習は大変です。簡単ではありません。日本語能力試験のN5レベルからN4、N3、そしてそれ以上のレベルまで、それぞれのステップで忍耐と努力が必要です。私自身の経験を振り返って、日本語学習の旅を3つの時期に分けてみました。第1期は授業に100%出席し、第2期は徐々に出席率が下がり、70~80%程度になりました。当時はインターンシップで日本に滞在しており、とても忙しかったからです。日本語の授業は午後9時から11時までで、昼間のインターンシップの後に出席しなければなりませんでした。とても大変でした。そして、最終期の出席率は60%くらいだったと思います。多くの授業を欠席しました。当時、ASIA to JAPANで日本語の勉強を続けるのはとても大変でした。
日本での就職を目指す人にとって、2つの基本的な質問に答えなければなりません: なぜ日本語を学ぶのか、そして、なぜ日本で働きたいのか。私の日本の先生方は、この2つの質問をよく私たちに投げかけました。その答えは、純粋な情熱と目的を反映した、心から響くものでなければなりません。
私たちは皆、自分なりの答えを持っています。日本語を学び、日本でのキャリアを追求する理由を理解することで、困難に直面しても集中力と回復力を保つことができます。決意と目標への誠実な結びつきがあれば、日本での成功は手の届くところにあります。