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日本語学習者が急増しているミャンマーの日本語教育・就職事情について

目次

日本語学習者が急増しているミャンマーの日本語教育・就職事情について

ミャンマー人の日本語力とは

外国人材の採用をする際に気になる、日本語力。国によっても日本語教育が盛んかどうか、傾向が異なります。

この記事でのミャンマー人の日本語力を知っていただき、日本企業が採用する際に検討がしやすい情報を提供します。

ミャンマーの教育事情

ミャンマーでは、小学校5年間、中学校4年間、高校2年間、大学4年間の過程が用意されており、小学校のみが義務教育となっています。ミャンマーは裕福な国ではないため、大学進学率は15.66%と高くないのが現状です。よって、大学に進学した学生は、学んだことを活かしたいという思いを強く持っており、勤勉といえます。

また、優秀な男性は出家したり軍に入ったりすることも多く、トップ大学や理系でも女性比率が高いことも特徴です。

ミャンマー人から見る日本への印象

ミャンマーにおいて、日本はとても人気があります。仏教国ということで親和性が高く、歴史的にも、日本軍と共に戦った経緯もあり、馴染みがあります。また、日本語学習ブームが起きていることも特徴です。日本企業がミャンマーに進出していることによる、日本語の需要の高まりが背景にあります。ミャンマー人にとって、日本語とミャンマー語は文法が類似しているため、日本語習得は比較的易しいようです。

参考:ミャンマー(2022年度)国際交流基金

日本語学習状況の概要

2021年度海外日本語教育機関調査によると、ミャンマーにおける日本語学習者は19,124人でした。初等・中等教育機関においては、第二外国語の授業が実施されていないため、日本語をはじめとする外国語学習は高等教育機関入学後、または学校教育終了後に開始する人が多いというのが現状です。

高等教育における日本語学習

ヤンゴン外国語大学とマンダレー外国語大学において、学部、修士、専門課程、夜間部の4コースが設置されているうえ、日本語教師育成コースも設置されています。両校の日本語学科は、人気が高く、入学するには高得点を取得する必要があります。

外国語大学の入学難易度は、英語、中国語、日本語の順だったのですが、今では英語の次に日本語がランクインしています。2011年の民主化以降、日系企業の進出・日本人客増加の影響から、日本への関心は高まっています。

学校教育以外の日本語学習

学校教育以外の日本語教育機関数は、2018年度時点で411機関あり、2020年度には500以上の機関が確認されていました。しかし、新型コロナウイルスや情勢の混乱によって、規模が縮小していき、2021年度時点では189機関となりました。ただ、2022年に入ってからは、復活傾向にあるといわれています。

日本語能力試験の受験状況

令和5年7月の日本語能力試験の受験者数は9万人でした。9万人という人数は、日本、中国に次いで三番目に多く、非常に受験者数が多いことが分かります。5年前と比較すると、2018年7月は約12,000人であったため、急激に人数が伸びていることがうかがえます。

令和5年第1回(7月)の受験者数データ(引用:日本語能力試験のHP

ミャンマー人の就職事情と仕事観

ミャンマーにおいて、就職活動を行う時期は大学や学生によって様々です。ミャンマー海事大学の学生は、卒業前から就職について考える人が多いといいます。大学で会社を紹介するイベントも行われ、専攻とマッチした企業選びを学生のうちから始めます。一方で、ヤンゴン工科大学の学生は卒業後に仕事を探す傾向があるといいます。時間に余裕をもって、周囲と相談しながら情報収集するみたいです。

また、海外進学や就業はほかのアジア各国より遅れているのが現状です。海外就業を目指したとしても、国内の教育環境が整備されていないという理由で技能不足と判断されてしまうこともあり、採用されにくくなってしまいます。

日本への就業に関する意識

今までも述べてきたように、ミャンマーでは日本での就職に対する関心が高まっています。日本語能力試験の受験者人数の増加がそれを裏付ける証拠と言えるのではないでしょうか。

先程述べたように、ミャンマー人は海外での就職を目指したとしても、国内の教育環境の影響により、技能不足と判断されてしまうこともあるようです。このような学生にとって、研修環境が整っている日本の企業では、チャンスが多いといえます。これまでミャンマー人にとって、シンガポールが人気の就職先でしたが、近年では日本での就職を望む人も増えています。国内の初任給は2万円ほどなので、給与面においても日本での就業は魅力的に映ります。

ミャンマーにおいては、日本と感覚が異なる点が何点かあるため、受け入れる際は注意が必要です。まず、ミャンマーでは家族を大切にするため、子供を会社に連れていくこともあるようです。また、遅刻に関しての感覚もルーズなため、注意が必要です。習慣の違いから、戸惑うこともあるかもしれませんが、困難や苦労を乗り越えようとする傾向があるので、丁寧に教えることが重要になります。一つ一つ教えることで、少しずつ要領を掴んでいけます。

関連記事:ミャンマーの給与事情|果たして賃金はアジア最低水準なのか?ミャンマーの平均月収とは | ASIA to JAPAN

関連記事:ミャンマー学生の強みや特徴って?日本ミャンマー交流協会 ミャンマー代表インタビュー | ASIA to JAPAN 

代表的な大学

●ミャンマー海事大学(Myanmar Maritime University)

●ヤンゴン外国語大学(Yangon University of Foreign Languages/YUFL)

日本におけるミャンマー人の数

在留ミャンマー人の人口

出入国在留管理庁によると、2022(令和4)年12月時点の在留ミャンマー人は56,239人です。全体の約1.8%の割合です。

 

引用:令和4年末現在における在留外国人数について(出入国在留管理庁)

ミャンマー人労働者の人口

厚生労働省が2023年1月に報告した「外国人雇用状況」の届出状況まとめでは、前年の2022年10月の段階で外国人労働者数が1,822,725 人、前年比95,504人増加したと公表しました。国籍別に人数を見ると、ミャンマー人は47,498人おり、比較的多いと言えるのではないでしょうか。

※厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)を参考にASIA to JAPANが作成

ミャンマー人の採用成功事例の紹介

ここから先は弊社FAST OFFERを通じて日本企業への採用が決まった、ミャンマー人学生の事例をご紹介します。

ミャンマー人学生の採用事例1:土木工学の学生

幼いころから日本のエンタメや交通システムに興味を持っていた学生。土木エンジニアの父の影響もあり、日本で土木エンジニアとして働きたいと考えるようになる。思うように勉強や就職活動ができない中、日本ミャンマー交流協会による日本語授業で学習し、FAST OFFERと出会う。結果、製造工場への人材派遣・請負等の人材サービスを提供する日本企業から内定をもらう。

詳細を見る:【内定者体験日記】ミャンマー  タンリン工科大学  土木工学

ミャンマー人学生の採用事例2:土木工学の学生

大学卒業後はミャンマーの日系建設会社で働き、日本人らしい働き方が合っていると感じた学生。情勢悪化から多くの日系企業が撤退する中、日本で働くことを考えだした。自身に必要と思われる知識を身に着けながら、日本ミャンマー交流協会の日本語教室にも通った。そこでFAST OFFERを紹介され、製造工場への人材派遣・請負等の人材サービスを提供する日本企業から内定をもらう。

詳細を見る:【内定者体験日記】ミャンマー ヤンゴン工科大学 土木工学部

ミャンマー人学生の採用事例3:電気通信工学の学生

幼少期から機械に興味があり、大学のプログラミング教室をきっかけに日本で働くことに興味を持つ。日本語を学習する中でFAST OFFERを紹介され、準備を行った末、製造、設計、開発、製造等の無期雇用・派遣事業を行う日本企業から内定をもらう。

詳細を見る:【内定者体験日記】ミャンマー ベジャイア大学 電気通信工学

終わりに

いかがでしたか?
今回は、ミャンマーにおける日本語教育事情や仕事観、日本での就業状況についてお届けしました。

ASIA to JAPANでは、海外の主要大学と提携しており、現地大学内で年間を通して行う日本語学習などを通じて、海外の学生に日本への就職のきっかけを提供しています。 また、優秀な学生と企業とをオンライン・オフラインを通じて理想的なマッチングを実現いたします。就職決定後に、企業が必要なサポートを次々と充実させていくことで、双方のギャップを解消し、活躍するまで丁寧に支援しています。

外国人採用で不安な事がありましたら、気兼ねなくお問い合わせください。

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