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大学ランキング上位校の多いシンガポールの日本語教育・就職事情について

目次

大学ランキング上位校の多いシンガポールの日本語教育・就職事情について

シンガポール人の日本語力とは

外国人材の採用をする際に気になる、日本語力。国によっても日本語教育が盛んかどうか、傾向が異なります。

この記事でのシンガポール人の日本語力を知っていただき、日本企業が採用する際に検討がしやすい情報を提供します。

シンガポールの教育事情

シンガポールでは、国全体として大学ランキングを重視しており、大学ランキング上位の大学が多く集まっています。その教育システムは複雑で、成績によって進路が決まります。小学校としての「Primary」、中学校としての「Secondary」高校と大学としての「Post-Secondary」の三つに大きく分かれているイメージです。卒業前に、テストを受け、その結果次第で進学できる学校や学部が決定する仕組みです。シンガポールでは学部で学歴を判断することが一般的で、医学部、法学部、歯科学部は一部の成績上位者しか進めません。なお、義務教育は小学校のみです。

シンガポール人から見る日本への印象

シンガポールでは、食や旅行先としての人気の高まりから、日本ブームが起こっています。独立から半世紀ほどしかたっておらず、国としての歴史は浅いため、欧米や日本、韓国といった海外文化への興味も強いようです。しかし、日本への関心は高まっていても、日本語を話せる人は少ないことが特徴です。シンガポールでは英語を使用できる人が多く、かつ海外での就職を希望する人が少ないため、学習に対するモチベーションが高くありません。

ただ、シンガポール人からすると、ひとり暮らしができる点、車を所有できる点は日本での生活における魅力だといえます。シンガポールでは、家賃が約2,200SGD※~2,850SGD(約22万~29万円)ほどであるHDBフラット(政府建設の公共団地)に約85%の人が居住しています。費用を抑えるためにルームシェアをする若者も多く、そもそも一人暮らし用の物件はほとんどありません。車に関しても、日本の3倍の価格であるため、一部の人を除き所有できません。

※SGD=シンガポールドル

日本語学習状況の概要

2021年度海外日本語教育機関調査によると、シンガポールにおける日本語学習者は10,837人でした。

シンガポールにおいては、小学校卒業試験(PSLE)で上位10%以内の成績を修め、第三言語を学ぶに値すると考えられる学生のみに第三言語として日本語・ドイツ語・フランス語・スペイン語を学ぶ権利が与えられます。なかでも、母語を中国語とする学生のみに日本語を選択する権利が与えられ、母語がマレー語、タミール語の学生は日本語を選択できません。よって、日本語学習者の少なさにも影響しているのではないでしょうか。しかし、日本語の人気は総じて高く、他言語よりも学習人口が多いようです。

初等教育における日本語学習

2018年より、一部機関にて課外活動としての試験的な導入が開始されました。

中等教育における日本語学習

シンガポール教育省語学センターにて日本語授業が開講されています。中等教育における第三外国語教育は優秀な学生のみに提供されています。また、シンガポール国立大学附属数理高校で日本語が選択科目として提供されています。

高等教育における日本語学習

シンガポール国立大学、南洋理工大学、シンガポール経営大学、シンガポール工科大学などにおいて日本語教育が行われています。特に、シンガポール国立大学の日本研究学科では、交換留学・長期・短期留学・ホームステイプログラムといった日本との交流が積極的に行われています。

参考:シンガポール(2022年度)国際交流基金

日本語能力試験の受験状況

令和5年7月の日本語能力試験の受験者数は1,545人でした。東南アジアの中でも二番目に少ない人数となっています。このことからも、日本語学習があまり行われていない様子がうかがえます。

令和5年第1回(7月)の受験者数データ(引用:日本語能力試験のHP

シンガポール人の就職事情と仕事観

シンガポールでは卒業の半年前にあたる12月頃から就職活動を始めるのが一般的です。国内の就職制度が整っており、国内就業の条件もよく、賃金目当てに海外勤務を希望する人は他のアジア各国と比較して少ない傾向があります。

採用方法としては職種別採用制度を取っており、平均給与は学部と成績によって大きく異なります。2022年におけるシンガポールの平均年収は、65,910SGD(約677万円)でした。平均給与の高いシンガポールですが、業種によってみてみると、システム管理者やマネージャー職で平均が130,884SGD(約1,343万円)、専門職で平均が100,386SGD(約1,030万円)である一方、清掃員やリーダー職以下の労働者などは平均で22,815SGD(約234万円)と格差がある様子がうかがえます。

また、仕事観ですが、シンガポールでは教育システム上、幼少期から競争社会に身を置いているため、ハードワーカーな傾向があります。残業する文化はありませんが、その分時間内に業務を終えられるように計画立てて仕事をやりきる人が多いです。

参考:シンガポールの給与事情|本当に格差はあるのか?シンガポールの平均月収とは? | ASIA to JAPAN

関連記事:【国全体で上昇傾向!】平均給与が上がり続けるシンガポール!学生が日本での就職を希望する理由とは? | ASIA to JAPAN

国内で人気な就職先

2019年度において、アジアトップレベルの大学である南洋理工大学の学生からは、情報コミュニケーション、金融・保険、電気製品、行政、法律・会計・監査、建設の業界が人気でした。どの業界からもコンピュータサイエンスの生徒の引き合いが強く、金融・保険業界はエンジニアの学生からの人気も高いといいます。また、学生が仕事探しの際に重視する点として、以下の点があげられました。

  • キャリアプランが明確であり、キャリアトレーニングの機会がある
  • 上下関係がなく、フラット(若手がシニア人材のメンターにつくなど、逆転のメンター制度がシンガポールにはある)
  • 社会貢献活動を行なっている
  • フレキシブルに働ける環境がある
  • 個人の責任の元、自由がある

南洋工科大学の学生に限った話にはなりますが、「興味関心と情熱」「社会へのインパクト」「ワークライフバランス」「スキルアップやキャリアを伸ばせる仕事」を重視できる企業が人気のようです。

参考:高い年収を提示するだけでは不十分。シンガポール・NTU(南洋理工大学)の学生が仕事探しで重視する4つのこと | ASIA to JAPAN 

日本への就業に関する意識

前述のとおり、国内就職の条件が良好なため、日本をはじめとした海外勤務を希望する人は多くありません。日本で採用したい場合、柔軟に給与を設定する必要があります。また、シンガポールは税金が安いため、同じ給与であっても手取り額が異なる点も考慮したうえで価格設定を行いましょう。ただし、シンガポールには製造系の開発・生産拠点が少ないため、総数としては少ないですが、エンジニアリングを学んだ学生の中には日本で就職を希望する人もいます。

代表的な大学

●シンガポール国立大学(National University of Singapore/NUS)

100年以上の歴史を持つアジアトップレベルの大学。世界中から学生が集まっており、国際色豊かな大学です。インターンシップが正式に単位として認定されていることも大きな特徴です。

●南洋理工大学 (Nanyang Technological University/NTU)

エンジニアリングを学ぶことができる大学として設立。アジアトップレベルの工科大学として有名なうえ、キャンパスの美しさからTop 15 most beautiful university campuses in the world に選出されています。

●シンガポールマネジメント大学(Singapore Management University/SMU)

2000年に設立された国立大学と歴史は浅いものの、在学中のインターンシップが義務付けられており、企業からの学生の評価がシンガポールの中で最も高いのが特徴です。

関連記事:アジアNo.1のシンガポール国立大学(NUS)のグローバルインターシッププログラムとは?優秀な外国人学生を採用したい企業必見! | ASIA to JAPAN 

日本におけるシンガポール人の数

在留シンガポール人の人口

出入国在留管理庁によると、2022(令和4)年12月時点の在留シンガポール人は3,306人です。これは、総数3,075,213人の0.11%、アジア総数2,594,216人の約0.13%ととても少数であることがわかります。

 

引用:令和4年末現在における在留外国人数について(出入国在留管理庁)

シンガポール人労働者の人口

厚生労働省が2023年1月に報告した「外国人雇用状況」の届出状況まとめでは、前年の2022年10月の段階で外国人労働者数が1,822,725 人、前年比95,504人増加したと公表しました。国籍別に人数を見ると、シンガポール人はごくわずかであり、その他の部分に含まれると予測できます。

※厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)を参考にASIA to JAPANが作成

シンガポール人の採用成功事例の紹介

ここから先は弊社FAST OFFERを通じて日本企業への採用が決まった、シンガポール人学生の事例をご紹介します。

シンガポール人学生の採用事例1:経営管理の学生

日本の文化が好きで、日本で暮らしたいと思っていた学生。FAST OFFERのプログラムを知り、夢を現実にできる可能性を感じた。スタッフやメンターとの面接対策などのサポートを経て、エグゼクティブコーチング会社から内定をもらう。

詳細を見る:【内定者体験日記】シンガポール 南洋理工大学 経営管理

シンガポール人学生の採用事例2:航空工学の学生

ASIA to JAPANの主催する日本語授業に参加していた学生。軽飛行機メーカーから内定をもらった後も、不安や悩みに対するスタッフの対応があり、安心して働き始めることができた。

詳細を見る:【内定者体験日記】シンガポール 南洋理工大学 航空工学

終わりに

いかがでしたか?
今回は、シンガポールにおける日本語教育事情や仕事観、日本での就業状況についてお届けしました。

ASIA to JAPANでは、海外の主要大学と提携しており、現地大学内で年間を通して行う日本語学習などを通じて、海外の学生に日本への就職のきっかけを提供しています。 また、優秀な学生と企業とをオンライン・オフラインを通じて理想的なマッチングを実現いたします。就職決定後に、企業が必要なサポートを次々と充実させていくことで、双方のギャップを解消し、活躍するまで丁寧に支援しています。

外国人採用で不安な事がありましたら、気兼ねなくお問い合わせください。

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