ミャンマー学生を新卒採用する企業必見!日本就職を選ぶ理由を解説
令和5年10月13日に発表された、在留外国人数のデータで対前年末増減率(%)が最も高かった国がミャンマーです。ミャンマーには、日本就職を目指す人材が多く、外国人材を採用する企業にとっても注目の国と言えます。
日本に在留するミャンマー人
出入国在留管理庁のデータによると、令和4年末は56,239人(ランキング11位)だったのに対して、令和5年6月末には69,613人、対前年末23.8%の増加で、ランキングも8位に上昇しました。
(出入国在留管理庁『令和5年6月末現在における在留外国人数について』をもとに
ASIAtoJAPANで作成)
在留資格別にみると永住者、技能実習生で約半数を占めますが、その次に多いのが「技術・人文知識・国際業務」(通称:技人国)で、約9,500人になります。
(出入国在留管理庁『令和5年6月末現在における在留外国人数について』をもとに
ASIAtoJAPANで作成)
本記事では、ミャンマー学生の現状および日本語学習状況、そしてミャンマー学生がなぜ日本就職を目指すのか?を徹底解説いたします。
ミャンマーの現状
ミャンマーは、2021年にミャンマー国軍がクーデターを起こし、日本でも著名な当時の国家顧問アウン・サン・スー・チー氏などが拘束されたことをきっかけに、軍事政権へと変わりました。
政変以降、声を上げる国民と国軍の衝突が繰り返されるなど、国内の情勢は不安定になっており、さらには諸外国からも経済制裁を受けているため、失業者や貧困者が増加傾向にあります。
ミャンマー学生の現状
ASIA to JAPANが24年1月末にミャンマーの大学を訪問した際、学部によって学生数が1/3〜1/4程度に減っていました。背景としては、民主派の教員や生徒が大学への出席をボイコットする動きが続いているからです。国軍に対して異を唱える教員や生徒が、大学に来ないという問題が発生しており、教員不足から大学としても新たに受け入れる学生数を絞らざるを得ない状況に置かれているようです。
とはいえ、日本企業の採用説明会のアレンジをすると、2校で200名を超える学生が参加するほど、日本就職に対する意識・熱意は高いと言えます。ミャンマーの学生にとって、既に多くの先輩が日本で働いていることも、日本就職を希望する大きな理由となっているようです。
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ミャンマー人から見る日本への印象
ミャンマーにおいて、日本はとても人気があります。仏教国ということで親和性が高く、歴史的にも、日本軍と共に戦った経緯もあり、馴染みがあります。また、前述した通り、国内の情勢が厳しいため大卒者の海外就業の志向が強くあるのも特徴です。
ミャンマーの日本語学習状況
2021年度海外日本語教育機関調査によると、ミャンマーにおける日本語学習者は19,124人でした。初等・中等教育機関においては、第二外国語の授業が実施されていないため、日本語をはじめとする外国語学習は高等教育機関入学後、または学校教育終了後に開始する人が多いというのが現状です。
日本語能力試験の受験状況
令和5年7月の日本語能力試験の受験者数は9万人でした。9万人という人数は、日本、中国に次いで三番目に多く、非常に受験者数が多いことが分かります。5年前と比較すると、2018年7月は約12,000人であったため、急激に人数が伸びていることがうかがえます。
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ミャンマー学生の就職活動の特徴
通年で就職活動をしています。新卒者の就業環境が厳しい事情があり、大学も市内から離れた地域にあることが多いため、日本就職を目指す学生は、卒業後に日本語を学び就職に備える場合が多いのが特徴です(卒業は年1回・2月ごろ※情勢により変動あり)。
ミャンマー学生が日本就職を選ぶ理由とは?
実際にASIA to JAPANで採用を支援したミャンマー学生のインタビュー内容を含め、日本就職を選ぶ理由をいくつかご紹介します。
理由1:日本の文化が好き
タンリン工科大学 土木工学の学生の声:
”もともとアニメなど日本の文化が好きで鬼滅の刃など人気のあるアニメをよく見ていました。その興味が日本での就職という方向に動いたのには、主に2つのきっかけがありました。1つ目は、大学で行われた日本企業の説明会です。大学を卒業する前に、私のミャンマーの大学で、ある日本企業が説明会を開き、それに参加したことが日本での就職に興味をもつ大きなきっかけとなりました。2つ目は、友人が日本で働いていたことです。東京と大阪に日本で就職した友人がおり、日本での話を以前から聞いていたことも強く影響しました ”
理由2:日本の技術力の高さ
”大学1年生の時に日本語の勉強を始めました。そしてJLPT N5レベルを取得し、4年前にAJMMC(日本ミャンマー交流協会)のプログラムで日本に一か月行くことができました。(中略)休日には横浜や東京ディズニーランドへ遊びに行ったり、橋やトンネルの見学にも行ったりしました。そこで目を惹いたのは、日本の高層ビルや整備された道路です。私は土木建築について勉強していたため、日本の高い技術力に感銘を受けました。そしていつか私も学んだことを活かし、日本で働いてみたいと思うようになりました。 ”
理由3:経済的理由
ミャンマーでは年収の概念が日本ほどないため、一般的な月収でと12ヶ月分で単純計算した年収を紹介すると、ミャンマーの平均月収は、479,000 MMK (約3万円)。平均年収は、約5,748,000MMK(約38万円)です。あくまで平均のため、金額差に上下はありますが、厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、日本人の平均月収は33万4,800円と公表されているため、大変月収が低いことがわかります。
ミャンマーは都市部でも、月1万円があればなんとか暮らすことができると言われますが、収入と支出がほぼ変わらないため、多くの人が貯金をしていないそうです。そのため、海外で就業し、母国の家族に仕送りするケースも多いため、長期就業が見込めるという点も特徴です。
※ミャンマー通貨:MMK(ミャンマーチャット)※100MMK:約7円(2023年5月時点でのレートで換算)
まとめ
いかがでしたか?インドネシア学生の魅力や、日本就職に対する意識の高さなどがお分かりいただけたかと思います。
ASIA to JAPANはアジア各国のトップ大学の学生と日本企業をつなげます。外国人採用でお困りの企業様はぜひASIA to JAPANへお気軽にご相談ください。